発表や演奏をドキドキせずに堂々としたいときに効く薬というものはないのでしょうか。
精神安定剤などの服用はあまりお薦めできません。立て板に水のような話し方よりも、とつとつとした話し方の方が、好感がもてる場合もありますよ。ドキドキする人にも味があるものです。また、オリンピックの選手など、試合の前には当然、興奮状態になります。これを薬で抑えてしまっては、平凡な成績しか残せないかもしれません。ドーパミン値が十分に上がり、アドレナリンが全開になっているとき、爆発的な瞬発力が出ます。選手が、「よし、戦うぞ」と興奮状態になることは、全く自然なことです。
では、本当の社会不安障害に対する治療はといえば、薬と暴露反応妨害法という行動療法を併用していきます。「あがり症」は、場面が限定されているのでわかりやすく、治療もシンプルです。ほぼ8割の人が改善するので受診は早いほうがいいです。
症状自体は数ヶ月〜半年でかなり改善し、色々な社会生活が円滑になります。完治には、数年はかかるとみてください。子どもの場合は、3ヶ月から半年の服薬ですみ、治療が終了になることも多くあります。今現在は仮説ですが、神経系の発達が未発達の子どもは、障害のある神経経路を薬剤でブロックしている間に、健康な経路が発達するためではないかと、考えられています。
浅井逸郎
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