横浜院長のひとりごと No.266 ノーベル賞

横浜院長の柏です。クリニック隣の河合塾が川向こうの新校舎に移り、現在取り壊しの工事中かと思えば、今度はダイエーが完全閉店とのことでセール中です。郵便局、東急ハンズなどに続いてまたまた近隣のランドマークが消えていく南幸2丁目。どんな街に変わっていきますやら。

さて、京都の本庶佑先生がノーベル医学生理学賞を受賞されました。以前にもお話しましたが、私は東京医科歯科大学に在籍していた時に、文部科学省の学術調査官という役職を兼務していた時期がありました。その調査官の仕事の一つに、ノーベル賞が日本人に決まったら、一番専門の近い調査官がその先生の仕事をまとめたレポートを作る、というのがありまして、今でもノーベル賞の発表の時期になると自然に緊張が走ってしまいます(^_^;。かつて私が東大に在籍していた当時から、西に本庶、中西ありと(中西重忠先生は、NMDA受容体のクローニングなど、精神科医から見ても重要な神経科学関係の業績を多数持たれる先生です)音に聞く先生でありました。医師は卒業後、患者さんの診療に直接あたる臨床医と、基礎的な医学研究を行い、直接患者さんは診察しないけれども医学の進歩に貢献する基礎医学者とに進路が別れます(もちろん、基礎医学者が臨床医に転ずることもありますし、臨床医が基礎研究に従事することもあります)。臨床医は目の前の患者さんの変化を見て自分の治療の成果を確認できますが、基礎医学とはそれは地道な世界でして、稀に画期的な成果が出たとしても、それが患者さんの診断や治療に実際に活用されるまでには長い長い道のりがあります。本庶先生のすごいところは、純粋な基礎研究から偶然発見された分子に重要な役割があると直感し、不断の努力にてその役割を解明し、さらにはそれをガン患者のもとに届け、多くの患者を救うところまで仕事を完遂したところでしょう。医学者の理想のあり方といえます。高い知性と経験に基づく直感とセンス、不断の努力を重ねる才能と研究への厳しい姿勢...医師のはしくれとして先生に学ぶべきことがたくさんあることを痛感しております。

ガンの免疫療法に関しては、わが国ではニセ治療扱いされることが多い(実際にそうした診療施設もあるようで注意は必要ですが!)のですが、実は国際的にも日本人が活躍して大きな成果を上げている分野なのです。東大医科学研究所からシカゴ大学に移られた中村祐輔先生、アメリカNIHで光免疫療法の分野で画期的な業績を上げておられる小林久隆先生。小林先生には、楽天の三木谷社長も私財を投じておられると聞きます。現在は外科手術、化学療法、放射線療法にほぼ限られる日本のガン治療。10年後にはきっと、画期的な変化を見せていることでしょう。精神科領域も負けずに、10年後に皆さんの笑顔が増えているように、われわれも努力していかなくてはなりません。しかし、今日あげた3名の先生方はみな西の大学のご出身...東も負けていられませんね。

今日の一曲は、先日終わってしまった仮面ライダービルドのオープニング、Be the oneをPandora ft. Beverlyの演奏でどうぞ。今ではもう見られない小室哲哉の勇姿もありますよ。ではまた。


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