横浜院長のひとりごと No.281 あごらふぉびあ

横浜院長の柏です。お気に入りのルパパトの後番組はリュウソウジャー。怪獣(マイナソー)が円谷怪獣ぽくていい感じ。これからの展開に期待しませう。そして東映特撮YouTube Officialでは私の大好きな超人機メタルダーが始まりました!かつてNo.005No.122にも出てきましたね。ネロス軍団やっぱりすげぇ、クールギンかっけぇ、と一人で悦に入っております(^_^;;

さて、前回パニック障害についてお話したところですが、ちょうどこのタイミングで千葉ロッテマリーンズの永野投手が「パニック症(広場恐怖症)」であることをカミングアウトしました。
https://twitter.com/0302xoxo1/status/1105390248840712196

前回パニック障害についてお話する中で広場恐怖症についてもちょっとだけふれましたが、今回はこちらをメインで書いてみましょう。広場恐怖って不思議なネーミングですが、語源はアゴラフォビア:agora-phobia、"phobia"は恐怖症で、他にも"claustrophobia"(閉所恐怖症、ダ・ヴィンチ・コードのラングドン教授がそれですね)、" arachnophobia"(蜘蛛恐怖症)なんてのもあります。となると"agora"=広場のはずなのですが、実はそのとおりでしてagoraとはもともとは古代ギリシャの広場・市場から来ているようです。広場のような人がたくさん集まる場所。そういう場所で発作が起こったら、誰も助けてくれないだろうとか、みんなに迷惑をかけてしまうとか、広場恐怖症の方はいろいろと先回りして考え、心配してしまいます。その結果、その場所に行くことを恐れ、回避してしまうのです(なお、人の視線が怖い、笑われているようで怖いからそういう場所を避ける、というのは社交不安症(対人恐怖症)など別の疾患の症状であり、この場合は広場恐怖症とは言いません)。
一般的には、「広場」よりも乗り物や、映画館・美容院・歯医者など簡単には出られない場所が広場恐怖の対象となることが多いものです。
さて、永野投手。石垣島キャンプに参加するため、空港までは行ったものの飛行機に乗れず断念したとのこと。さぞや残念だったことでしょう。彼の場合は乗り物系が弱点のようで、新幹線は各駅停車なら乗れるとのこと。パ・リーグ球団の本拠地で考えると、仙台、大阪は何とか、札幌、福岡は大変だけど...というところでしょうか。今気づいたけど、セ・リーグの方が地理的にはコンパクトですね。しかし一方で、何万人が見つめるスタジアムのマウンドの上は大丈夫、というのがこの病気の不思議なところであります。しっかり治療をされ、全国のマウンドで活躍されるものと信じております。
治療としては、前回にお話しましたが薬物療法などで十分防御力を高めた上で徐々に、段階的に安全と思われるものから克服し、徐々に自信を回復していくことです。不安に関わる病気は何でもそうですが、頭の中で大丈夫、と唱えるだけではなかなかよくなりません。こわいと思っても、実際にやってみて本当に大丈夫だった、という体験...体で覚えないことには、本当の意味で恐怖を消すことはできないのです。しかしその際に無茶・無謀はいけません。SSRIや抗不安薬などの薬物療法は「盾」として恐怖を和らげてくれる役割があります。「そんなことを言っても、薬をのまなかったらできないなら意味がないじゃないか」とお考えの方もあるかも知れませんが、どんな方法でも(たとえそれがチートであっても)一回できた、という体験をすることはとても大切なことなんです。はじめて自転車に乗る時「補助輪」なるものをつけますよね。じゃあみんなずっと補助輪をつけないと自転車に乗れないのかというとそんなことはなくて、補助輪つきでも自転車の「乗り方」がわかるようになると、そのあとは補助輪なしでも普通に乗れるようになるわけです。最初から補助輪なしで努力するやり方もあるでしょうが、トータルで見ると補助輪つきから始めたほうが早く上手になれるのではないでしょうか。薬の意味はそんなところにあるものとご理解いただけるとよいかと思います。

hitorigoto-281.jpg次に大事なのが「徐々に、段階的に安全と思われるものから克服」という下りですね。いきなりラスボスと戦ってはいけないのです。弱そうな、取り組みやすそうな敵キャラから徐々に倒していく。ドラクエ好きで乗り物恐怖のあなたのために、こんなんいかがでしょうか。

モンスター

HP

実践

スライム

3

外に出る

ドラキー

6

駅まで行く

ゴースト

7

ホームまで行く

まほうつかい

13

隣の駅まで行く

おおさそり

20

3駅のってみる

がいこつ

30

各停で横浜駅まで行く

リカント

34

急行で横浜駅まで行く

ゴールドマン

50

電車で東京まで行く

ドラゴン

65

こだまに乗る

ダースドラゴン

100

のぞみに乗る

りゅうおう

130

飛行機に乗る


失礼だ、と感じる方がいらっしゃったらごめんなさい。ただ、これくらい治療を楽しむくらいの余裕があると治りも早いかな、と思った次第です。表は人によって苦手さの内容、程度の違いがありますので、各自オリジナルを作っていただければと思います。もちろん、われわれもお手伝いしますのでご用命くださいね。

ところでハフポストの永野投手の記事には当院のHPが引用され、当院理事長も金土とテレビでコメントしておりました。少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

最後に今日の一曲。前回ご紹介したモルダウは交響詩「わが祖国」の第2曲。スメタナの祖国とはチェコですね。モルダウ川をはじめ、チェコに関わる6つのテーマを連作交響詩として発表したものがこの「わが祖国」です。今日はそこからモルダウの次にくる第3曲「シャールカ」、これもいい曲ですね。シャールカとはチェコの伝説に出てくる女戦士の名前です。チェコのアマゾネス、といったところでしょうか。No.100のモルダウと同じヴァーツラフ・ターリッヒ指揮、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏でどうぞ。ではまた。


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