横浜院長のひとりごと No.285 発達障害アプリ

hitorigoto-283a.jpg横浜院長の柏です。パリ・ノートルダム大聖堂の大火災。次の世代に残すべき世界遺産の損傷は心に痛みますね。5年前、2014年夏の訪仏時に私が撮った大聖堂の写真と動画を載せておきますね。

hitorigoto-283c.jpg先日、塩野義製薬の手代木功社長が当院に来院され、発達障害のことなどいろいろとお話する機会がありました。塩野義製薬では、現在小児のみ投与可能であるADHD(注意欠如多動症)治療薬インチュニブ®(グアンファシン)の成人への適応拡大(今年中の予定)にはじまり、新規ADHD治療薬ビバンセ®(リスデキサンフェタミン)の発売予定、ADHDおよび自閉スペクトラム症(ASD)のデジタル治療用アプリ導入契約、さらには投与してすぐに効果が出るという謎の抗うつ薬(GABA-A receptor selective positive allosteric modulator)が控えているという、われわれ精神科領域(とくに成人発達障害絡み)で仕事をする者にとっては今、最もワクワクを与えてくれる製薬会社だと思います。手代木社長自らが製薬会社社長には珍しく研究開発畑出身で、サインバルタ®(デュロキセチン)の開発で困難が生じている時、カプセル化の工夫に実際に関わられたとのことでした。やはり創薬そのものを深く理解している社長のリーダーシップが、このようなワクワクの源なんだろうな、と深く感じた次第です。

上記の今後の展開はどれも大いに期待されるものですが、とくにユニークなデジタル治療用アプリについて、今日はちょっと思うところを書きましょう。現在導入予定のものは子ども向けで、どうやら内容はゲームのようです。発達障害に限らず統合失調症、うつ病などは認知障害という切り口から見ることもできて、これまで心理療法の一環として行われてきた認知療法、行動療法などはパソコンやスマホのアプリもできつつあります。まだまだ現状では治療の代用となる水準とはいえないところですが、今後には期待が持てそうです。発達障害の場合、ASD、ADHDともに視覚的情報処理に課題を有しており、視覚情報を扱うゲームは適切に行えば情報処理能力の鍛錬に役立つように思われます(もちろん、過集中やゲーム依存に対する十分な対策も必要です)。今回の製品は子ども向けとのことですが、手代木社長、成人向けの製品も開発のほど、ぜひよろしくお願いいたします。

では今日の一曲。ノートルダム大聖堂で思い出すパリの街。そのパリの街を描いたエドゥアルド・コルテスの絵画を背景に、エリック・サティのジムノペディとグロシエンヌをアンヌ・ケフェレックのピアノでどうぞ。絵画には大聖堂の姿も浮かびます。ではまた。


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