横浜院長のひとりごと No.287 時間を味方に

hitorigoto-287.jpg横浜院長の柏です。今日は六本木ヒルズのスタバでドヤリングです。みなさん10連休いかがお過ごしでしたか。私はほとんど診療ばかりで、最後の日に次男とアベンジャーズを見てきただけでした(^_^;。元号が令和に変わり、新たな時代の幕開けです。個人的にはとてもよい響きの元号だと思っており、ほぼ同世代の新天皇と同時代を過ごせることを光栄に感じております。

さて、No.283でもお話しましたが当院は10周年を迎え、皆さんと診察室でお付き合いする時間もそれだけ長くなってまいりました。病気には(こちらはNo.145でお話しておりますが)、急性気管支炎のような急性疾患と、糖尿病や高血圧のような慢性疾患があります。精神疾患の場合、その多くは慢性疾患と呼べるものであり、じっくりと腰を据えて治療に取り組む必要があります。
当院で私がお仕事を始めてから10年経ちまして、当初から継続してお会いしている方は早10年、前職の大学やクリニックからのお付き合いの方だとそれこそ20年近い方もいらっしゃいます。(おつきあいする期間は病気の種類や病状によって異なります) 開院3周年からはじめたこのブログも早7年。7年前のエントリーであるNo.019に「時薬」について書かせていただきました。治療において大切なのは、面接や薬もそうだけど、時間を味方につけること。10年前、この人はどうなっちゃうんだろう...とこちらが心配していた方。時間がたってもなかなか変化がなく、こちらも焦りを感じていた方。こうした方々でも、その後徐々に力を蓄え、今では立派に職場の中心に立って活躍している方もいらっしゃいます。時薬をうまく使い、時間を味方につけることができたわけです。精神科の病気は、その多くがゆっくり時間をかけて始まってきます。ストレスが徐々に徐々にたまって、コップの水が溢れるときに「症状」として現れてきます。統合失調症であれば、幻聴などが顕在発症する前に前駆期と呼ばれる、なにかがおかしい、なにかまわりが生き生きと感じられないといった症状(自我障害)が徐々に起きてきます。うつ病でも、例えば職場のストレス状況が続く中、エネルギーの低下は急にではなくじわじわと現れる場合が多いものです。うつ病では症状が取れるまでに(寛解)3ヶ月、本来の生活レベルでも大丈夫(負荷がかかっても大丈夫)となるのに(回復)1年は必要と言われます。統合失調症も、しっかりした回復までは年単位であり、不安障害の代表であるパニック障害にしても、発作そのものがなくなるのは比較的早いとしても、元通りなんの心配もなく外出したり仕事ができるようになるには1年は必要なものです。こうした時間軸を理解し、時間を味方につけること。これはとても大切なポイントなのです。
うつ病の場合、抗うつ薬がそもそも効き始めるのに1〜数週間を要し、上述のように年単位で治療を行っていくのですが、ここにきてそうした常識が覆されるお話が...。この話はまた次回以降に!

今日の一曲。ここのところサティ、ドビュッシーとフランスものシリーズで来ていますので、今日はセザール・フランク。彼はベルギー出身ですが、フランスで活躍した作曲家です。彼が遺した曲は多くないのですが、ヴァイオリン曲ではNo.208でご紹介したヴァイオリン・ソナタ、オーケストラでは交響曲ニ短調と各分野で珠玉の名曲を遺しています。そんなフランクのピアノ曲の最高峰、「前奏曲、コラールとフーガ」ロ短調。キーシンばかりで申し訳ないですがこの曲もやはりキーシンだなぁ。ほとんどピアノ曲を遺していないフランクなのに、これだけの曲を創り上げるのは底知れぬ才能だと思います。ではまた。


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