横浜院長のひとりごと No.337 私の夫は発達障害?

横浜院長の柏です。朝晩冷えるようになってきました。風邪を引いて熱でも出るとすわ新型コロナか?となりますので、皆さまどうぞ暖かくしてお過ごしください。さて、No.332で一部を執筆した新書のご案内をしたところですが、今度は私が監修を頼まれた本が上市されることとなりましたので、今回はそのご案内をさせて下さい。今回のタイトルは、その本の題名そのものなのでした。


No.178でもご紹介した、カサンドラ症候群...すなわち、発達特性のあるパートナーとの関係性に悩む方々...の集まる場所であるフルリール神奈川。そこを主宰されている真行結子さんの著作となります。真行さんとは、担当患者さんやパートナーを通じて、あるいは講演会を依頼されるなどで長年おつきあいさせていただいておりました。この本では、パートナーに発達特性が強く、長年にわたり悩んできた女性への処方箋が、真行さんの豊富なカウンセリング経験をもとに様々なシチュエーションで書かれています。


当院でも、抑うつや不安を主訴でいらっしゃる主に女性患者さんで、パートナーとの関係性にその一因があり、よくよく伺ってみるとパートナーになんらかの発達特性がありそうだ、というケースに出会うことはしばしばあります。面接の中でそうした話になっていくと、ご本人からパートナーを診察してほしい、という話も出るのですが、いかんせんそのパートナー自身は何も困っていない(困り感がない)場合が多く、当然のごとく来院には至らないわけです。精神科・心療内科の通院は、ご本人の受診意思がないと始まりません。無理やり連れて来られても、そうした状態から一回の面接で通院継続へと導くのはこちらとしても至難の業です(よって、事前のご相談もなく初診で無理やり連れてこられるのはおやめ下さいませ)。こうした場合、まずはカサンドラ状態に陥った方の抑うつや不安に対する十分な治療を行いながら、そのパートナーの特性についてともに考え、アドバイス(心理教育)を行います。しかし、このようなパートナーへの支援は、医療の枠組みの中だけで十分に行うことは医療資源的にも困難です。一方で、精神疾患の患者家族による家族会、依存症などの患者本人たちによる当事者会、断酒会など...このような当事者同士、家族同士による結びつきは、以前より医療の限界を超えたところで力を発揮してきました。近年、成人発達障害についての知見が深まり、カサンドラ症候群という言葉もマスコミなどでも取り上げられるようになってきました。精神障害の家族会でもそうですが、カサンドラ状態に置かれた方々ではことさら、ひとりで悩んでしまうことで、どんどんうつや不安が強くなってしまうのです。同じ悩みを共有する者同士で、何でも話せる環境に身を置いてみること、自分だけではないと気づけること、そして、自分が悪かったのではないと気づけること。カサンドラ状態の方には、同じ悩みを持つ仲間の存在がとても大切です。フルリール神奈川は、そうした悩みを抱えた方の集いの場を提供しており、またカサンドラ・サバイバーでもある真行さんは、その経験をふまえたカウンセリングなどの活動も積極的にされています。一人で悩まれている方は、ぜひ一度訪ねてみられるといいですよ。フルリールは東京などでも集まりを持っているようですが、全国にこうした集まりの輪が広がることを大いに期待したいと思います。


今日の一曲は、久々に懐かしアニメにしましょう。「スペースコブラ」から「コブラ」、作曲大野雄二、歌は前野曜子です。大野雄二の作品は、カリオストロマシンマンに続いて三回目ですが、この曲はいかにもコブラにふさわしい、きわめて官能的な一品ですね。1982年、私が大学に入学した年のTVアニメなので、すでに38年前か...むむむ。

最後に、前回お話した「クラシック・カフェ」の粕谷紘世さんとご一緒したときの動画、探したら出てきたので、証拠のキャプチャー画像を一枚。あ、L社のIさん、見逃して下さい見逃して下さい見逃して下さい(^^;;;; ではまた。

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コメント(1)

数年ぶりにコメントさせていただきます、パパゲーナです。

このところ外来でクリニックにまいりますと、壁面に取り付けられた大型モニターから美しい音楽と世界の景勝が映し出されているのを観てとても癒されております。この大型モニターが仕事を中断したのは、確か東日本大震災で関東以北が省エネが叫ばれたおよそ10年前だったかと記憶しております。

待合の至る所に飾られている生花とお茶とコーヒー、キャンディーとモニターからの音楽と風景...
柏先生の患者さんに向けた優しいメッセージを感じずにはいられません。

今回アップして下さった“スペース・コブラ“の主題歌ですが、とてもカッコよくて大好きです(^^)
カツオちゃんも大好き。才能溢れまくっている名曲の生みの親ですネ。
コブラのアニメーション自体もイカしています。キャラクターのモデルはジャン・ポール・デズモンドてでそれ自体も素敵ですが、声を当てている野沢那智さんもとても力が入っているのが分かりました。

前回はビゼーの楽曲をアップして下さっていらっしゃいましたが、以前カルメンを観に行ったとき聴いた話、フランスの小さい子供達に学校が観せる最初のオペラがカルメンなんだそうで...
男女の痴情のもつれの末、殺されるヒロインと殺人を犯してしまう役人。愛の国フランスならば幼い子供達に観せても問題はないのかな...?と思いました。

それと個人主義、哲学の国、愛の国フランスのうつ病患者は日本のそれを大きく凌いでいると在住の日本人に聞きました。他人に弱味を見せないようにする傾向がとても強い国民性も手伝っているのか、徹底した個人主義に生きることはとても困難な事だと感じたものです。

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