現在、百日咳が大変流行しています。百日咳は子どもだけではなく、大人もかかる感染症です。正しい知識を持って感染を防ぎましょう。
◆百日咳とは
百日咳は「百日咳菌」という細菌が起こす呼吸器の感染症です。名前のとおり、長引く席が特徴で、特に乳児では命にかかわることもあります。
◆主な症状
初期は風邪のような症状(鼻水・咳・微熱)から始まります。
1~2週間後、発作的で止まらない激しい咳に変わります。咳のあとに「ヒュー」と息を吸う音が特徴的です。
咳は数週間から数か月続くこともあります。
乳児は咳が目立たず、呼吸困難や無呼吸になることもあります。
◆検査と診断
鼻や喉のぬぐい液から菌を調べる検査で診断します。症状や流行状況から判断することもあります。
◆治療
抗菌薬を使うと感染の広がりを防げます。
早期の治療が重要です。咳が出始めたら早めに受診を。
重症の場合は入院治療が必要です。
◆予防のポイント
1)定期接種の百日咳ワクチン
日本では生後3か月から1歳半ごろまでに「四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)」を計4回接種します。
2)なぜ流行が起こるのか?
百日咳ワクチンの効果は時間がたつと徐々に弱まることが知られています。特に思春期や大人になると免疫が切れ、再び感染しやすくなります。大人が気づかないまま感染源となり、赤ちゃんにうつすケースも少なくありません。
3)追加接種の必要性
現在、日本では1歳半までの定期接種以降、追加接種の機会がありませんが、海外では10代・成人向けに追加接種が推奨されています。特に以下の方に推奨されています。
・赤ちゃんと接する家族・医療従事者・保育士
・妊娠している方(妊娠後期の接種することで赤ちゃんに抗体が移行します)
・最後に百日咳ワクチンを接種してから10年以上経過している方
4)基本的な感染対策
・咳が出る場合はマスク着用
・手洗いや換気の徹底
・長引く咳は早めに医療機関へ
◆まとめ
百日咳は誰でもかかる可能性がある感染症です。特に赤ちゃんや高齢者は重症化リスクが高いため、自分がかからないようにする「周囲の大人の予防も重要です。ワクチンの免疫が切れていないか、自分の接種歴を一度確認してみましょう。
コメント