こころの健康アラカルト

暴力と心の病の関係とは? DV (1)

DV(ドメスティックバイオレンス)についてお話ししましょう。
夫婦間における家庭内暴力(DV)とはどのようなものでしょうか。
“殴る夫”と”殴られる妻”という典型的なケースがあります。家事や育児、社会生活の不和や夫の親族との確執など理由は何であれ妻の不具合に対し夫が責めたて、次第に手が出るなど暴力に発展していきます。しかし翌日に夫が謝ってくると許してしまう・・・を繰り返す。妻はミスや不具合を具体的に指摘されるので「自分が悪い?」と”罪責感”を持ちます。そして暴力を受けても、その後の謝罪で許されたという間違った”解放感”を感じてしまいがちです。
では、暴力と心の病は関係しているのでしょうか。
パーソナリティーの問題もありますが、暴力を振るう側は、「情緒不安定パーソナリティー障害」や、著しい「不安障害」で殴るなどの衝動的な行動を抑えられないことも考えられます。また通常大人しくなることの多い「うつ病」ですが、怒りっぽくなったりイライラすることもあります。一方、殴られる側は周期的に繰り返される暴力によって「うつ病」や「不安障害」を発症することも。自身の胸の内にしまわずに、専門医に相談してください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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