こころの健康アラカルト

事故や災害の後にひそむ「PTSD」

災害や大きな事故の後に、耳にすることの多い「PTSD」についてお話ししましょう。
PTSDは、どんなことがきっかけで発症するのでしょうか?
PTSDとは、心的外傷後ストレス障害ともいわれ、事故や事件、大きな災害など、強い恐怖を伴う衝撃的な出来事を体験することによって、発症する可能性のある疾患です。長期治療が必要になるケースがみられます。
具体的に、どんな症状があらわれるのでしょうか。
受傷後、数週間から6カ月以内に症状が出ることが多く、漠然とした不安感や気持ちの落ち込み、イライラ感、集中力の低下、不眠や悪夢などの睡眠障害があげられます。心が平静を取り戻してきたころ、臭いや音、映像など、深く刻み込まれた恐ろしい記憶が突然思いだされるフラッシュバックを体験する場合も。このほか、頭痛や食欲減退、倦怠感などの身体症状、うつ病や不安障害などを併発するケースもあります。
できるだけ早く治療を始めることで、治療期間も短く社会復帰が遅れるリスクも少なくなります。大きな事故などに遭い、気分の落ち込みや不安感、不眠などが1カ月以上続いている場合は、一度専門医へ相談することをおすすめします。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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