横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.062 レッツ・サーフィン!その2

横浜院長の柏です。ちょっと忙しくてご無沙汰しました。波乗りの話を続けます。波と言えばリズムをもった動き、ということですが、波やリズムの異常というのは双極性障害だけでもありません。周期の長さの順で見ていくと、一日単位ではうつ病の日内変動(朝が最悪)、睡眠相遅延症候群(リズムが後ろにずれて直らない)、月単位では月経前気分不快症(生理前にうつ、イライラがひどくなる)、年単位では季節性感情障害(冬期うつ病など)、などと各周期ごとに病気が存在し、またいずれも生物学的な背景が示唆されているのがその特徴と言えます。
さて、双極性の波が暴れている時、枠にはめようとするとますますその波は暴れようとするようです。
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しかし現実には、躁状態になると普段の生活であっても真ん中の図のように枠をはめられていると感じ、右のようにますます波が大きくなるという悪循環に陥ります。本当は好きなようにしていれば直に波は収まるのでしょうが、それまでに破産したり社会的信用を失ってしまったりしかねません。そこが躁状態の治療の難しいところです。どうしても入院などにより、枠をはめざるを得ない場合があります。ここで必要となるのが、薬物療法です。薬物療法の詳細については次回以降に譲り今回はさわりだけとしますが、気分調整薬といわれるグループの薬物は、気分の波の振幅を小さくします。単純に躁を抑える、うつをもち上げるというのではなく、下図のように全体の振幅を小さくする形で働くわけです。生物学的な背景の強い病気には、やはり薬物療法が必須となりますhitori62-b.jpg
さて、サーフィンといえばビーチですね。南の島大好きな柏家の、最近のお気に入り番組が「世界さまぁ〜リゾート」です。土曜の深夜にやってます。昨夜はわが懐かしのアメリカ西海岸・サンディエゴ!そして今週末はそのサンディエゴの隣、かつて私が住んでいた街、ラホヤのビーチです。ぜひご覧あれ。

コメント

  1. 隊長 より:

    なるほど、枠にはめるのは逆効果と。
    でも、躁状態の時に抑えきれないのは問題ですね。
    難しいな、この病気。

  2. 横浜院長 より:

    隊長さん
    はい、はっきり申し上げてすごく難しいです。やはり、波が小さいうちに十分予防を講じて大波にしないことが一番大切です。

  3. まねきねこ より:

    女性の場合、更年期障害というのも一つ厄介なものがありまして、私はついに、更年期障害デビューをしてしまいました。10年位前、更年期障害のブームみたいなものがあったと記憶していますが、最近ではすっかり忘れ去られ、うつの本は多いのに、更年期の本はやっと一冊探し出しました。女性ホルモンのエストロゲンが減少して、精神のバランスをも崩してしまうらしいのですが、エストロゲンがどう、脳神経の細胞に影響しているのか、それが減少するということは、どういうメカニズムで精神のバランスが崩れて更年期障害の精神的不安定さと苦痛を生じさせるのか、知りたいと思います。
     先生、南の海がお好きなのですか?いっそ、茅ヶ崎あたりに移住なさっては?芸大の師匠が茅ヶ崎に住んでいて、茅ヶ崎はまったりしていて、ブータンのようだと言っていました。

  4. 横浜院長 より:

    まねきねこさん
    そうですね、女性の場合、月経前気分不快症以外にも、産褥期精神障害、更年期障害など女性ホルモンの影響による精神障害は多岐にわたりますね。いずれ(っていつだ)書いていきますね。
    南の島、大好きです。以前はやった動物占いでは、私は南の島でぼーとするのが大好きなコアラと出ます。大当たりです(^_^;
    茅ヶ崎ですか・・・。沖縄移住はまじめに考えたこともあるのですが。