看護師便り

パワーナップ(昼寝・積極的仮眠)

こんにちは。少しずつ秋の気配が感じられるようになりましたが、とても暑かった今年の夏の疲れも残っているのではないでしょうか。今回は、手軽にリフレッシュできて様々な効果がある「パワーナップ」のお話です。

「パワーナップ(Power Nap=積極的仮眠)」という短時間の昼寝をご存知でしょうか?
パワーナップとは、社会心理学者ジェームス・マース氏の研究から広まった、12時~15時くらいにとる15分~30分(または20分程度)ほどの睡眠のことです。

パワーナップはNASAの睡眠研究によって科学的な効果が明らかにされており、Google、NIKEなどの多くの世界的企業が取り入れています。
近年は日本の企業においてもパワーナップ制度を導入するところが増えていて、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」第8条においても、「午後の短い昼寝で眠気をやり過ごし能率改善」とすすめられています。

パワーナップを取り入れることにより、以下のように様々な効果が期待できます。
・疲れが取れる
・判断力・理解力・集中力が上がる
・やる気がアップする
・自由な発想が生まれやすくなる
・作業効率が上がる など

ではなぜ、パワーナップは効果があるのでしょうか。それは入眠時に訪れる、深い眠りのノンレム睡眠に関連しています。
ノンレム睡眠は、深さに応じて4つのステージがあります。研究によると、入眠20分ほどで訪れる軽い睡眠レベルの「ステージ2」は、脳内にたまった“キャッシュメモリ”がクリアされて、情報を整理・記憶したり優先順位をつけたりする脳の”ワーキングメモリ”が強化されることが明らかになりました。
ただし仮眠が30分以上になると、ステージ3・4の深い眠りに到達してしまい、寝覚めが悪くなってしまうので、20分前後の短時間で目覚めることが重要です。

それでは、パワーナップの効果的な実施方法についてお伝えしますね。
検索すると色々なコツや方法が出てきますので、ご自分に合う方法を試していただければと思います。

1.座った姿勢で目を閉じる
パワーナップは特に場所の指定はありませんが、横になると完全な睡眠状態になってしまうので、仕事場の机にうつぶせになったり、椅子の背もたれに寄りかかったりした状態で目を閉じることが良いでしょう。
途中で崩れ落ちたりしない、安定した体勢で仮眠を取ってください。デスク用の昼寝枕やネックピローを利用するのもおすすめです。

2.光を遮る
明るい環境では眠りのホルモンであるメラトニンの分泌が減り、睡眠の質が下がるため、なるべく暗い環境での仮眠が望ましいです。カーテンを閉める、アイマスクを着用するなどもよいですね。
しかし短時間の睡眠なので、暗くなくても本人が眠れていれば大きな影響はないとも言われています。

3.静かすぎず心地よい環境で
騒がしくなく静かすぎない環境がパワーナップに向いていると言われています。
脳の活動を抑え、眠りを促すとされる「ホワイトノイズ」と呼ばれる雨や風、波などの心地よいと感じられる音をスマホやパソコンなどから流しておくのも効果的です。

4.時間管理が大切
パワーナップは夕方以降にとると、夜の睡眠に影響を及ぼす可能性があります。
そしてアラームを設定するなどして、20分前後の短時間にとどめましょう。
夜もなるべく決まった時間に寝て、規則正しい生活を送りましょう。

5.仮眠前のカフェインで目覚めスッキリ
コーヒーや紅茶などのカフェイン飲料は、飲んでから覚醒効果が現れるまで約20~30分かかります。パワーナップの前にコーヒーや紅茶、緑茶などを飲むと、仮眠から目覚めるタイミングでカフェインが働いてスッキリと目覚めることができます。

6.仮眠後は軽くストレッチ
目覚めたら体を伸ばすなどの軽いストレッチをしましょう。血行がよくなり、脳に酸素が行き渡ります。また冷たい水で顔を洗うのも効果的です。

いかがでしたでしょうか。
パワーナップを試してみて眠ることができない時も、目を閉じるだけで脳の活動がリセットされ、疲れが取り除かれるそうです。

ポイントは「昼食後などの休憩時にコーヒー(紅茶・緑茶)を飲み、椅子に座って20分位目を瞑ってリラックスし、最後に軽くストレッチをする」だけです。
疲れた日に気軽に取り入れてみましょう♪

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