看護師便り

高齢者の熱中症対策は難しい

毎日暑いですね、夏の訪れが前倒しとなり年々猛暑の記録を更新しています。
熱中症で救急搬送される人が増加し、死亡者数も増加しています。
消防庁の発表によれば、令和7年6月23日~6月29日までの全国の熱中症による救急搬送人員は4,665人
そのうち高齢者は2,740人でその割合は58.7%にのぼります。

熱中症が命に関わる恐ろしい症状であること、エアコンなどを適切に使えば避けられることなどを理解してもらうことが大切です。熱中症対策としてエアコンを適切に使用しましょうと謳われていますが、エアコンを使用せずに救急搬送となるケースが多くあります。

高齢者がエアコンを積極的に使いたがらない主な理由

  1. 「電気代がかかる、もったいない」
    使っているエアコンが10年以上前のものであれば、今のエアコンに比べて電気代が高いかもしれません。しかし熱中症のリスクを考えれば、電気代は必要な経費と思われます。
  2. 「冷房は冷えすぎて体に悪いから使わない」
    夏の気温が上がっていることは明確で、これまでの経験を超えています。熱中症のリスクを理解し、しっかり対策する必要があります。
  3. 「冷房を使う程暑くはない」
    加齢により暑さを感じにくくなっているかもしれません。個人差はありますが、高齢者は皮膚の感覚や内臓機能の低下により暑さを感じづらくなっています。暑さを感じづらくても身体機能に影響はあるので熱中症になってしまう可能性は高いといえるでしょう。

高齢者が熱中症になりやすい理由

  1. 体温調節機能低下
    体に蓄積され続ける熱を体の外に出せず、体温は上昇しやすくなります。
  2. 水分保持機能低下
    体内に保つことのできる水分量が少ないという特徴もあります。そのため水分を汗として使ってしまうと、それ以上の汗はかけません。高齢になるほど「喉が渇いた」という感覚を感じにくくなりますのでなんとかして水分を取らなくてはなりません。
  3. 水分摂取量の低下
    高齢者は「喉が渇く」という感覚が乏しいため、必要な水分量を摂取するのが難しい状態です。飲むときにむせ込んでしまうことや、夜間のトイレを考えて飲水を控えてしまうこともあります。

高齢者は一般的に頑固になり、保守的傾向が強くなると言われているので、子供や甥、姪、年齢が下の配偶者の注意喚起を聞き入れないこともあるかと思います。
ですが、体温は知らない間に上がり続けることもあります。気がつけばすでに重症レベルに達し、手足の筋肉がつってしまって動けなくなり、意識を失う可能性も高いです。もしそのとき自宅でたった1人だったら、どうしようもありません。熱中症による死者の大半は、高齢者が占めていることも見逃せません。これらの事実を高齢者自身に正しく理解してもらい、長く暑い夏を無事に過ごせるよう、お互いに努めましょう。

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