こころの健康アラカルト

視線や会話がとても気になる

周りの人の視線や会話がとても気になります。自意識過剰なのでしょうか。」こんな質問を受けました。
例えば、電車に乗っていて、周りの視線がとても気になったり、会社で自分のことを悪く言われているのではないかと考えてしまう症状は、主に「社交性不安障害」や「うつ病」「統合失調症」などでみられます。
「社交性不安障害」は、いわゆる「対人恐怖」なども含む病気と考えられています。人前で話をしたり、人前で電話をすることにも過度に緊張してしまう。また、趣味のサークルやPTAの集まり、レストランや居酒屋での飲食、さらには人のいる部屋に入ることや、目を合わせることも苦痛となり、強い緊張が伴う場合もあります。
こうなると、その過度の緊張を避けるため、活動範囲が求められ、日常生活に支障をきたしてしまいます。
不安や幻覚、被害妄想などに見舞われる「統合失調症」では、自分が周りから何か悪く思われているのではないかという症状が、単独でみられることもあります。「うつ病」では、気持ちの落ち込みや不眠症などとともに、視線恐怖等がみられるケースもあります。
以上のように、人の視線や会話が気になってしまう状態が苦痛で、また他の症状も出ているようであれば、専門医への早期の相談が望まれます。相談することで、症状が改善し、生活の質も向上すると考えられます 。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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