横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.026  さらに発達障害

横浜院長の柏です。今日は日曜ですが代診で出勤でした。日曜出勤だと、ゴーバスターズは見られるがウィザードまで見ていると遅刻です。今夜ゆっくり録画したものを見ることにしましょう。
さて、発達障害の診断について、これまでは自閉症性障害、高機能自閉症、アスペルガー障害、特定不能の広汎性発達障害などなかなか臨床的に線引きが難しい分類となっていました。精神障害の診断体系は、主にアメリカ精神医学界によるDSM-IV-TRに準拠して行われていますが、来年13年ぶりに改訂される DSM-5では、こうした区分が廃止され、ASD(autism spectrum disorder; 自閉症スペクトラム障害)という用語で統一されることに決定したようです。
スペクトラムと言ってもキャプテンスカーレットではなく(誰もわかんないかなぁ)、光が虹の七色に分光されるように、色の濃いから薄いまで幅を持って存在するような状態をさす物理学用語です。発達障害の程度、内容は個人によって大きく幅があり、正常との境も連続的であることから、このASDの概念はきわめて実用的だと思います。
この正常との境が連続的、ということと関係して最近ほお、と思ったのがASWD(autism spectrum without disorder; 非障害自閉症スペクトラム)という概念です。自閉症スペクトラムの特徴は有しているが、社会的に安定し問題なく生活している方々を指す言葉です。障害であるか否かは症状の有無のみで決めるものではない、という当たり前だが重要なことを思い返させてくれる言葉です。提唱者は本田秀夫先生。大学の同期で、教養部から同じクラスの友人です。ジャズマンですが、今や小児精神医学の大家です。わが横浜(総合リハビリテーションセンター)で長年活躍されていましたが、昨年から山梨県立こころの発達総合支援センター長としてご活躍です。私も負けていられませんね☆当院通院中のASDの方々も、ASWDを目指しましょう!
さて、大人の発達障害の概念は恥ずかしながら我々精神科医でも最近ようやく浸透してきたところです。私も大学勤務中は意識が足りなかったと、今になって思う次第です。当院に移って3年半、ようやく発達障害の治療の形が見えつつあるように思っています。一方で、世の中も「発達障害の時代」になってきていることを感じる今日この頃でもあります。その代表格が・・・そうです、ゴーバスターズです。(これだけ出てくると、あなたも見ないわけにいかないですね☆日曜朝7時半5チャンです!)そのゴーバスターズですが、主役5人中少なくとも2人に発達特性がありそうです。まず堅いのがジェイ。「俺は俺のことしか興味がない」と断言していますからねぇ・・・。主人公のヒロムも、あの空気の読めなさの設定はなかなか。この時代ならではの設定だと思いませんか?二人ともASWD確定・・・おっと、過剰診断と加藤教授に怒られそうですので、今日はここまで。