こころの健康アラカルト

夫の介護に疲れを感じている

「1年前から夫の介護をしていますが、最近疲れてしまい、生きていることが辛く感じます。」71歳・女性からの相談です。
ご相談者のご主人は、約1年前に寝たきりになりました。週3回のデイサービス以外は食事やトイレなど常に見守りが必要な状態で、ご相談者は、「今は楽しみもなく生きているのが虚しい」とおっしゃいます。
介護は家族に大きな負担を強いることになります。ひと昔前まではこうした負担が積み重なった末に、家族による介護放棄や虐待も横行していました。 そこで登場したのが介護保険です。導入から10年以上が経過し、サービスの質も飛躍的に向上しています。ご相談者も現在の状況を「当たり前」と考えず、担当のケアマネージャーさんにご自分の気持ちを打ち明けてみてはいかがでしょうか?プランの見直しによって、ヘルパーさんの派遣などを追加してもらえるかもしれません。
そしてできた時間に、趣味などを楽しんでも良いでしょう。もちろんそのことに罪悪感を持つ必要は全くありません。それでも落ち込んだ気持ちが改善されなければ、診療科や精神科を受診して下さい。ソーシャルワークによるケアなどを受けることもできます。
負担を抱え込みすぎて「共倒れ」になっては元も子もありません。辛い時は周囲にしっかりとヘルプサインを出して下さい。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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