横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.361 書類よもやま話

横浜院長の柏です。梅雨に入りそうで入りませんね。今日は精神科の書類について、愚痴話を書かせてくださいませ(^_^;;。
内科、外科、産婦人科・・・いろいろな診療科がありますが、おそらく精神科が一番書かなきゃいけない書類が多いんじゃないかと感じるのです。本当は診療終了後にほいほいと片付ければいいのですが、診療に全力投球している身としてはそんなエネルギーは残っておりません。なので、至急のものをのぞいて休診日に出ていって片付ける、そんな悲しい(T_T)毎週が繰り返されているのです。休診日に出ていって、山のような書類を片付け、スッキリしてたった数日、私の棚を見るとまた山のような書類orz…ギエロン星獣ではないですが悲しいマラソンでございます。もちろん、皆様の大切な書類ですからこちらも全力投球…するからもたないのかも知れないですね。以前の医師の書いたもののコピーとか持ってきてくださる方もあるのですが、すごく丁寧に書かれていて唸らせれるものもあれば、なんじゃこりゃ、というものもあり、書類へのエネルギーのかけ方も医師により千差万別のようです。病院によっては医療秘書がかなりの部分を埋めるところ、これは噂ですが全部書いてしまっているところもあるとやら…。書く側としては羨ましい限りですが、書くからにはちゃんと書きたいワタクシにはできない芸当でもあります。
どんな書類があるかといいますと、院内仕様の診断書(休職、復職、その他病気通院中であることの証明など)、特殊仕様の診断書(会社や役所のフォーマットなど)、傷病手当交付用診断書、自立支援医療用診断書、障害者手帳用診断書、障害年金用診断書、生活保護医療要否診断書、労災診断書、介護保険主治医意見書、特別児童扶養手当認定診断書、さらには診療情報提供書(紹介状)、受領報告(診療情報提供書のお返事)などなど…思い出して書いてるけどまだ抜けてそうだな…題目書いていくだけでクラクラきますね(^_^;。
私の場合、院内仕様の診断書だけはその場で書いてお渡ししますが、それ以外は原則としてお時間をいただきます。でないと、そうでなくとも混み合っている私の外来、あとの患者さんのおまたせ時間がのびてしまうので、緊急の場合をのぞきお待ちいただくことにしています。お急ぎの際はその旨お伝えいただければ対応します。以前、予約制でないクリニックで週に一度診療していたことがありましたが、そこではなるべくその場で書くようにしていました。今思うとすごいことだなぁ。このあたり、当院でも医師によってやり方が違うと思いますので、お急ぎの方は主治医とご相談ください。
ほとんどの書類は次の休診日に書きますので、1週間後、たまに休診日にほかの予定がつまっていて書けないこともあるので、2週間いただくこともあります。新規の障害年金だけは、手間が膨大なので1−2ヶ月いただいております(時によってはそれ以上)のでご了解ください。
それでもまだ、自立支援・手帳・年金といったところがExcelやWordなどのフォーマットで出せるようになったので、全部手書きだった昔よりは楽になっています。前回のものを手直しして出せるのは、書く側には大きなメリットです。それでも、自立支援や手帳は自治体ごとにフォーマットが違いますので、遠くからいらしてる方(実は結構遠い方もいるのです)の場合、自治体のHPなどにアクセスしてExcel/Wordファイルをさがすところから始まり、見つからないとやむなくご持参いただいた書式に手書きとなることもあります。そろそろ、全国統一フォーマットにするとか、電子申請できるようにするとか、していただきたいものです。
精神科が一番書類が多いだろうというところに絡んで、これは精神科医が書くべきなのか?と思うのが障害者手帳や障害年金のための診断書ですね。ここに我々が書いた評価をもとに、等級が決められます。しかし、そこで求められる評価は、病状よりも生活や仕事への支障がどれくらいあるか、ということです。我々は医師ですから、病気の状態、程度について評価するのはプロを自認しています。もちろん、生活や仕事への支障も評価し、適切な日常を送れるよう支援するところまでやって精神科医ということはわかっておりますが、我々はあくまでも診察室でのご本人の状態、本人や家族、同伴者から語られる生活・仕事の様子から判断するしかありません。実際の能力は福祉などの支援者のほうがはるかによくわかっている、ということは日常的にあることですし、そうあるべきです。介護保険においては、医師は意見書を出しますが、実際には自治体職員が訪問して実際の生活の困りごとを直接評価します。障害者手帳や障害年金、とくに後者においてもそうしたプロセスが必要ではないか、と切に思います。とくに障害年金の場合、直接お金の問題が絡みます。取れるか取れないか、何級になるか、はご本人やご家族には切実な問題でして、取れなかったり等級が下がったりすると治療関係に影響することもあり、勘弁してほしいな、と思うこともあるのです。当院への転院前の医師が明らかに「重く」書いている場合にはとくにこの問題が起きやすく、なかなかつらいところです。でも目の前の現実しか書けませんからね。このように、障害年金という重大な問題が担当医の筆先三寸で変わりうる現状はやはりおかしいと思います。数年前まで、障害年金の審査は各都道府県で行っており、その結果、西日本のほうが取りやすい、より等級が高い、という現象があったため、今では東京で一括審査するように変わりました。どうやら西日本では、これまで取れていた方が落とされたり、等級が下がったりということがあるようです。神奈川は幸い、評価レベルの変化は内容に感じています。このように審査自体でも変わるし、医師の裁量でも変わる…こんな方法は早く改めるべきです。介護保険のように自治体が審査するのもいいですが、個人的にはこの問題の最適解はベーシック・インカム制度だと思います。生活保護もそうですが、あるかないかのオール・オア・ナッシングな現状はねじれを生み出しており、全員一律給付で経済的問題を解決するようにしてほしい。しかしそのためには、国力を上げて国富をたくわえないといけません。
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仮面ライダーメテオこと吉沢亮くん扮する渋沢栄一が活躍する大河ドラマ「青天を衝け」。数十年ぶりに大河ドラマを毎週見ているのですが、なかなかいいですな。皆が豊かに、皆が幸せになるように…渋沢栄一の核心を継ぐ、気概のある政治家の登場を待ちたいと思います。
ということで今日の一曲は、「青天を衝け」メインテーマ。指揮の尾高忠明が渋沢栄一の子孫と聞いてぶっ飛びましたが、ドラマの舞台ともなっている栄市の故郷、深谷市は私の母校・熊谷高校のある熊谷市の隣町。ぐんまちゃんとふっかちゃんがゆるきゃらグランプリを争っていたときは宿敵でしたが、今は応援してます!ではまた。

コメント

  1. 横浜院長 より:

    すみません、後半に2ヶ所打ち間違い。
    神奈川は幸い、評価レベルの変化は内容に→ないように
    ドラマの舞台ともなっている栄市の故郷→栄一の故郷
    あかんなー、焼きが回ってますねw