こころの健康アラカルト

物欲が止まりません

「物欲が止まりません。たくさん買い物をすることで安心するのですが、これは『こころ』の病気と関係があるのでしょうか。」こんな質問がありました。
買い物依存症の可能性があります。背景として考えられる心の病気には、躁うつ病とパーソナリティ障害、統合失調症の3つが主なものと考えられます。
躁うつ病では、躁状態で見られる行為で、欲望をコントロールできず、不要なものまで購入してしまい、浪費につながるケース。
パーソナリティ障害の場合、手首を切ったり、高所からの飛び降りなどの自傷行為の一つと考えられます。興奮状態であり、物を必要以上に購入してしまうのです。
統合失調症では、気持ちが誇大的になり、衝動の統制が難しく、買い物依存が発生します。これらの他に、広汎性発達障害や症状性精神障害などでも同様の症例が見られます。
背景にこれらの心の疾患のない場合では、シンプルに依存症といえます。依存症には、物質とプロセスの2通りがあり、前者はアルコールや麻薬など、後者は窃盗や過食をはじめ、買い物も含まれます。買い物をすることでストレス解消になるのです。 これ自体は自然なことですが、買い物を繰り返すことで耐性ができ、心地よさを得るためにエスカレートしてしまうと危険。多額のキャッシングなどをしてしまう前に、専門医に相談することをお勧めします 。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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