こころの健康アラカルト

早口・滑舌がわるい

「自分の思っていることがうまく話せません。しゃべろうとすると『早口』『滑舌がわるい』と言われ、周りの人が聞き取りにくいようです。心の病気の可能性はあるのでしょうか。」26歳男性から質問がありました。
それだけでは、心の病気の可能性は低いと思います。単に早口であるとか、人に自分の考えを伝えようという自覚が足りないなどの原因があるのではないでしょうか。しかし落ち着きがなく動き回る、物忘れがひどいなどの症状を伴う場合は注意が必要です。
心の病気の可能性で言えば、考えが次から次へと湧いてきて、それを言葉でうまく表現できず、周りからは何を言っているのかわからないと思われてしまう観念奔逸の状況が考えられます。これは、双極性障害のそう状態でみられます。実際の睡眠時間は短いにもかかわらず、しっかり寝ている感覚がある、気分が爽快で高揚しているようであれば、少し疑った方がよいかもしれません。
また、人に物事を伝えるのが苦手であったり、コミュニケーション能力が低い人に見られる広汎性発達障害、精神遅滞、コミュニケーション障害も否定できません。その他には、交通事故や脳腫瘍などの後遺症としてみられる高次脳機能障害もあります。これは、言葉がうまく話せなくなったり、障害が悪くなったりする症状があります。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント