こころの健康アラカルト

特定の状況で不安を感じる恐怖症

「同じ状況になると、いつも不安を感じる」ということはありませんか? 日常に潜む恐怖症についてお話ししましょう。
恐怖症とは、特定の状況、動作、物に不安や恐怖を感じる疾患で、高所や閉所の恐怖症のほか、”広場恐怖症”や”対人恐怖症”などもあります。
どの程度であれば注意が必要でしょうか。例えば、ドライヤーを拾ってひどいぎっくり腰を経験したことがトラウマになり、その後も物を拾うのが怖いなど、ちょっとした不安感は誰にでもあることです。ただし、再発を恐れるあまり気持ちがふさぎこんだり、動作をイメージするだけで恐怖を感じる、動悸やめまい、吐き気などの症状を伴い、日常生活にも影響を及ぼすようであれば恐怖症が隠れているかもしれません。
はどのような治療を行うのでしょうか。系統的な脱感作療法を用います。不安になる状況を階層化して、がまんできるところから始め、不安がなくなるまでだんだんならしていきます。物を拾う動作の場合、どの程度ひざが曲げられるかを段階分けします。不安の程度により、薬物療法も併用し、克服できるようになってくれば薬物療法をなくします。
心配な場合は、専門医に相談してください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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