こころの健康アラカルト

気をつけたい身近な「薬物依存症」(2)

この記事はこちらからの続きです。
気をつけたい身近な「薬物依存症」についての2回目です。
麻薬や覚せい剤、”危険ドラッグ”などの薬物を使用しなければ、薬物依存症にはならないのでしょうか。
違法とされる薬物だけでなく、合法であっても薬は適切な使用をされなければ安全とは言い切れない場合があります。例えば、あちこちの病院を受診して薬を収集するなど、医療で出される薬を乱用する中で依存症を増していくというケースも少なくありません。最近では薬局同士がオンラインでつながっているところも多く、薬物依存症の疑いがある患者さんの場合は、注意を促すような通知が出される対策も行われてきています。
薬物依存症になった場合は、治療は医師と相談しながら徐々に減薬したり、依存性のない薬物にかえていくなどで改善を目指します。自己判断で急に薬をやめてしまうことは、大量の汗や手の震え、目まいや下痢、不眠や不安感などの離脱症状が激しくなり、かえって断薬しにくくなることがあります。その結果、「自分は薬がなければやっていけない」という思い込みが強化されてしまうことも考えられるので注意が必要です。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント