横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.192 対人関係の欠如

hitorigoto-192a.jpg横浜院長の柏です。ingressネタからですみませんが、先月の努力の結晶、Via Lux Odyssey上級メダルがやっと届きました。これは、9月の1ヶ月間の間に、まだ一度も訪れていないポータルをたくさんハック(訪問)しましょうというイベントでして、300個以上でメダルがもらえ、その中から、全世界で上位1/4の人には別の上級メダルというお祭りだったのです。この上位1/4というのがくせ者で、ネットの曖昧な情報から1000個くらい?と見当をつけ・・・。
普段のイベントは土曜が多く、なかなか参加できずにいたのですが、このイベントは1ヶ月間の間、好きな時にやればいいので何とか参加できました。しかし、一度も訪れていない、というのはベテランには厳しい設定でして、帰省にあわせて浅草、北千住、近場では休診日や診察後に野毛〜伊勢佐木町から馬車道〜山下公園までくりだし、がんばってよく歩きました。訪れた新規ポータルは総計1080個くらいで、最終的には上級メダルは711個以上の人がもらえたようなのでなんとか私もいただけました。情報をいただいた近隣・先輩エージェントのFさんに感謝です。
さて、対人関係療法(IPT)シリーズを仕上げましょう。残る問題領域は、④対人関係の欠如です。これはしかしIPTの中でも特殊な領域です。IPTの基本は、重要な他者との現在の対人関係を扱うわけですから、まずは他の問題領域を取り上げる方向から治療に入ります。それでも④を選ぶ場合としては、
1) 慢性的なうつ病、気分変調性障害、社会不安障害(社交不安症)、あるいは発達障害などを背景に、実際に物理的ひきこもり、心理的ひきこもりなど対人関係の欠如をきたしている場合
2) 双極性障害(とくに躁状態)などで、それまであった対人関係が破壊され安定した対人関係構築に支障をきたしている場合
3) これはちょっと特殊ですが、神経性大食症(過食症)などで、一見友達も多そう、対人関係が取れているようで、実は相手の評価に敏感で安定した対人関係を築けない場合
こうした場合に、この問題領域を選択することになります。「重要な他者」を決めるのが難しい状況ですが、役割期待のずれ、役割の変化といった他の関係領域も活用しつつ、問題の整理と解決への処方箋を出していくことになります。個人的には、発達障害の方への応用方法に関心があるところです。
No.101でも申し上げましたが、精神科医療において対人関係の問題は避けて通れません。IPTは今後、精神療法のひとつのスタンダードになっていくように感じています。
では今日の一曲。前回に続き、リスト〜ダンテシリーズ第2弾です。前回のオケに続き、今日はピアノの名品・・・巡礼の年第2年「イタリア」から終曲、「ダンテを読んで〜ソナタ風幻想曲」です。ブレンデルのピアノでどうぞ。

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