横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.296 タバコ

横浜院長の柏です。夏休みが終わり、仮面ライダージオウもいよいよあと一話。エターナルに続いてチェイスも出てきたり、ファン的には最高の展開ですね♫ 「人間の心とは、もっと美しいはずだ」人造生命体の悲哀は、われわれ人間の心を打ちます。
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さてその夏休み、今年は次男とポケモンGOイベントにて臨港パークに行ってまいりました(去年は長男と横須賀でした)。地元でこうしたイベントがあるのは大変ありがたいことです。横浜市民でヨカッタと思う瞬間ですね。今年も抽選だったので大混雑にもならず、電波も良好で楽しい企画でした。ジラーチ、ペラップ、アンノーンも無事捕獲。しかしこの暑さ。今回ついに私は日傘男子デビューを果たしました。いやー日傘最高ですね。猛暑が続き、環境省も男女を問わず日傘使用を推奨しています。ここをご覧の男性の皆さんも、格好悪いとか思わず日傘男子仲間にお入りください。私はこれからも、平然と日傘さして横浜西口を闊歩して(ポケモンイングレスして)まわるつもりです(ワタクシ、あまり気にしないヒトです。はい)。
さて、今日のテーマはタバコです。精神科とタバコってなかなか深い関係にありまして、かつては精神科医の喫煙率がすごく高く、No.256でも書きましたが私が研修した東大病院の地下医局はいつも先生方からの紫煙で前が見えない(大げさ…)状態でしたし、当時はどこの病院も長期入院の患者さんたちの一番の楽しみはタバコで、どこの病棟もタバコの香りがしみついていたものでした。しかし、受動喫煙による健康被害が知られるようになり、またこのたび東京オリンピックを控え、先月(2019.7.1)から改正健康増進法が施行され、学校、児童福祉施設、行政機関の庁舎、そして病院、診療所はすべて敷地内禁煙となったのです。当院は開院当初から全面禁煙とさせていただいております(外でお吸いの皆さん、パルナード通り(ドンキ、旧ダイエーの通り)は路上喫煙禁止区域ですのでご用心あれ。2千円取られますヨ)が、病院に関してはこれまでは喫煙者の方には喫煙スペースのある病院をご紹介しておりました。しかしこれからこれは難しくなるというか、不可能になっていくかと思われます。法律的には病院の敷地外まで行って吸うしかないわけですが、とくに入院当初は安静を保つために外出はご遠慮いただいているのが一般的です。喫煙者には厳しい時代となってまいりました。
タバコに含まれる依存性物質はニコチンです。この物質は、脳内でニコチン性アセチルコリン受容体というところに結合してドーパミンやβエンドルフィンといった”快楽性物質”の放出を促すことが知られています。このため、とくに脳の前頭前野でドーパミンの働きが低下しているとされる統合失調症やADHDの方で、喫煙率が高いことが知られており、一部「自己治療的」に働いていることも考えられるわけです。しかし、依存形成、そして肺がんなどの身体健康リスクを考えると、やはりタバコは吸わないにこしたことはないわけです。お酒もタバコも、上手に使えば精神面にも良い効果が期待できるわけですが、これが依存傾向になってしまうとマイナス面が強く出てしまうんですね。
一般に精神科医は、お酒には厳しいがタバコにはそこまでうるさくない人が多いのではないでしょうか(私もそうです)。しかし、近々タバコはまたまた値上げが予定されており、最安値のエコー・わかばといったブランドがなくなるなど、お財布に厳しい状況がやってきます。これを機会に禁煙されるのも、いいタイミングなのではないでしょうか。ちなみにワタクシはといいますと、非喫煙者でございます。父親がヘビースモーカーだったこともあるのですが、実は大学時代に宴席で勧められて一本だけ吸ったことがあるんです。その時「これはうまい!」と感じたんですね。だからそれからは一本も吸っておりません。これはうまい=これはヤバイ、と本能が訴えていたんだと思います。
最後に今日の一曲。前回のお話に出てきたウィリアム・カペル。夭折したこの稀代の名ピアニストの残された録音から、今日はリストのメフィスト・ワルツにしましょう。そういえば、これまであまりフランツ・リストの曲をご紹介していないみたい。ちょっとリストシリーズでもやりましょうかね。まだまだ暑い日が続きます。皆様ご自愛ください。ではまた。

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