こころの健康アラカルト

おみくじに強く影響される

826 おみくじに強く影響される
「おみくじの結果に強く影響されてしまいます。悪い結果だと元気がなくなってしまいます。占いなどにも左右されるこの性格をどうにかしたいのですが。」こんな相談がありました。
このようなタイプの人は、被暗示性が高い人と言えます。不安障害の方には、暗示にかかりやすい方が少なくありません。
誰もがおみくじで凶を引いた場合、気持ちが落ち込むものです。健常であれば、すぐに忘れてしまったり、気持ちを切り替えるでしょう。しかし、被暗示性が高いと、結果にとても強く影響される傾向があります。
このようなタイプの人は普段から取り越し苦労が多く、子どもの帰りが遅いと事故が心配になったり、外出後に火の始末や施錠の有無が気になり戻るなどもよく考えられるケースです。
漠然とした不安がある、動悸息切れなどの自律神経症状を伴うときは、心の病気を疑うべきです。過剰に心配する性格なんだと自分で思い込んでしまうことは、危険です。症状と性格を混同している人は、比較的に多いのです。
心配性が過度であれば、まずは専門医に相談し背景に心の病気があるかどうかを判断することをお勧めします。病気が隠れていれば治療を、そうでなければ、認知行動療法などのカウンセリングを受けることで、性格傾向の改善もある程度可能なことが多いものです。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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