こころの健康アラカルト

芸術家肌の友人がニート

907 芸術家肌の友人がニート
「芸術家肌の友人(20代後半)が美大卒業後、定職につかずニートになっています。中学生のころ、彫刻刀で机を彫ったり、校舎の3階から植木鉢を投げたりと行動も奇抜でした。本人は社会に不適合なのでは、と悩んでいます。これは心の病気と関係するのでしょうか。」こんな質問を受けました。
心の病気を疑う場合、常に落ち込んでいる、何事にも興味が持てない、また肩こりや不眠など、精神的および身体的な症状の有無をチェックすることが大切。 無表情で、友人の誘いにも反応しなくなった、挨拶しても返事がない、急な体重の増減などが見られるケースも注意が必要です。
心の病気を患い、普段の生活が辛くて家に引きこもることも考えられますので、友人として、状況の変化などないか、確認してあげるのが良いと思います。
ご質問の件ですが、一般的に中学生の頃は、多少奇抜な行動も多いのではないでしょうか。 また、その友人が芸術家を目指しているのであれば、同じような状況の人は多数いると思います。
私は20代の頃、作家を目指して定職に就かず創作活動に勤しんでいました。アーティストを目指している人には、例えば彫刻のひと彫りにこだわり抜き、それ以外のことには手がつかない、ということもよくあります。それだけで社会に不適合と考えるのは、ナンセンスと言えるでしょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント