こころの健康アラカルト

「非定型うつ病」「新型うつ病」とは?(2)

この記事は、こちらからの続きです。
若い人に多いという「非定型うつ病(以下非定型)」「新型うつ病(以下新型)」についてのお話しの2回目です。
非定型と新型は同じものと考えられるのでしょうか? 同じような意味で使われる場合もありますが、新型についてはまだ医学的に公式には認知されていません。若い人の抑うつ状態を指すことが多いので、「現代型うつ病」といわれることもあります。
新型うつ病の特徴はというと、典型的なうつ病は「自分が悪い。生きている価値がない」などという自責感が強いのに対して、新型は「自分には責任がなく、周りが悪い」という他罰的な傾向を持った人が多いです。また、典型的なうつ病では何かあっても元気が出ないのに対して、新型では楽しいことなど状況により気分が明るくなります。非定型の世代とも重なり、診断が難しいです。
診断の難しい点とは、新型うつ病と診断されても、インターネット依存症やギャンブル依存症、双極性障害などではないかと思われる方が多く含まれているように思います。また若年期の未熟で他罰的な時期に、うつ病にかかった場合も同様の反応が見られることがあります。そのため、新型の存在そのものの議論も今後なされる必要があるかもしれません。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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