こころの健康アラカルト

婚約者が経歴を偽っていた

「婚約者から経歴を偽っていたことを告白されました。それ以降、両親が結婚に反対するようになり、悩んでいます。」29歳・女性からの相談です。
ご相談者は3年間の交際を経て婚約しましたが、最近になって婚約者から国立大学だと言っていた出身大学が、実は地元の私立大学だったと告白されました。ご両親は、こういう人は、今後もうそをつくに決まっている。別れた方がいいと結婚に反対するようになり、ご相談者自身も彼に対して疑心暗鬼になっている、とおっしゃいます。
まずどうして経歴を偽っていたのか、どの程度の嘘なのかをよく検討することが必要です。婚約者がその場の空気を大事にし、相手を傷つけない思いやりのある人で、会話のなかでの勘違いを訂正できなかったのかもしれません。交際の前に自分を良く見せようとつい言ってしまったうそかもしれません。こうしたケースならば、愛情さえあれば十分乗り越えていけると思います。
ただ日常的にうそが散見され人は心の病気の可能性もあります。自分の中にいくつもの人格が現れる解離性障害や、ギャンブルやアルコールに依存する人はその行動を隠すことが常態化しているため、うそをつくことに抵抗のない人がいます。 まずはうその原因や経緯について、改めて二人でよく話し合ってください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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