こころの健康アラカルト

多くの心の病でみられる”動悸”

「身体的な異常はないのに”動悸”がする・・・。」動悸は多くの心の病でもみられる症状の一つです。
ではなぜ心の病に多いのでしょうか?
心の病では、循環器系(呼吸器系・消化器系など)の自律神経症状が比較的多く、動悸は入眠障害に並んでポピュラーなものです。社交不安障害、パニック障害、全般性不安障害などの不安障害では自律神経系の過活動を伴うので動悸も出現しやすくなります。また、うつ病や双極性障害でもみられます。
心の病の症状としての動悸の特徴はどのようなものでしょうか。
動悸だけでなく、息苦しさ(過呼吸)、便秘や下痢、頻尿、頭痛、肩こり、異常な発汗、寝汗、入眠障害などほかの自律神経症状を伴うことも多いです。そのほか、気分の落ち込み、不安感、やる気が出ない、周りに無関心、イライラ感などの精神症状がみられることもあります。
高齢者にみられる動悸についてはどうでしょうか。
高齢者の動悸・息切れは、心機能や体力の低下によることも多いですが、動悸以外の自律神経症状および精神症状も伴っていれば、心の病の可能性もあります。ほかに認知症の前駆症状でもみられることもあります。気になる場合は相談を。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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