こころの健康アラカルト

「爪かみ」など何気無い癖に潜む危険とは?

気が付いたら爪をかんでいる・・・。 そんな何気無い癖に潜む危険性についてお話ししましょう。
爪をかむなどの癖には何か原因があるのでしょうか。
特に若い女性に多い嗜癖(しへき)行動で、爪かみ、抜毛、唇や足の皮・頭皮をはぐなどさまざまですが、リストカットをはじめとする自傷行為に類するものです。何らかのストレス因子が原因であったり、単に癖になってしまってやめられないという人もいます。ひどい場合は爪が変形したり、頭髪が一部抜け落ちてしまったり、目立つこともあります。行為自体は単に癖である軽いものから、背景疾患(統合失調症、境界性パーソナリティ障害、うつ病、不安障害、摂食障害など)の症状の一部として現れている場合があります。
治療法は、背景疾患がある場合は、それぞれの疾患に合った薬物療法や精神療法を行います。一旦嗜癖化してしまうと、ストレス因子がなくなっても年数が経つほど改善するのが困難になります。指先、皮ふ、頭皮など体の表面には嗜癖による病のサインが表れていることがありので、特にお子さんの場合は家族が早めに気付いてあげることが大切です。
気になる場合は医師に相談をしてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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