こころの健康アラカルト

「虐待」の背景に心の病がある場合も

児童虐待と心の病についてお話ししましょう。
虐待にはどのようなものがあるのでしょうか。過剰にたたいたり蹴ったりなど身体的な暴力、人格的なことを否定し続ける言葉の暴力があります。また、無視したり食事を十分与えない、入浴させない、着替えをさせないなどのネグレクトもよくみられます。父親から娘に対する性的暴力や、母親から息子に対する性的誘惑なども虐待になります。
注意したい子どもの様子はというと、身体にあざがある、基準値をかなり下回って生育が遅れている、なんとなく汚れている、虫歯が多い、怯えた様子がみられるなどが挙げられます。また、心の病を持つ患者さんがお子さんを連れて受診された時に、お子さんにお母さんが優しいかどうか聞くことがあります。低学年くらいまでは概ね「優しい」と答えますが、そうでないときには何か問題がないか、さらに状況を聞きます。
保護者が心の病の場合も考えられるのかというと、非常に多いと言えます。例えばうつ病や双極性障害、統合失調症の方の中には、子どもに暴力的になったり、養育ができなくなってくる場合があります。まずは早めに相談してください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント