およそ100人に1人が発症するといわれる「統合失調症」についてお話ししましょう。
統合失調症とは、10代の半ば過ぎから20代にかけて発症することが多く、頻度の高い病気と言えます。症状にはさまざまなタイプがありますが、陽性症状、陰性症状、認知機能障害、気分の障害の大きく4つに分けられます。
陽性症状とは、幻覚・幻聴や妄想が主な症状です。そのほか、精神運動興奮状態(多動、多弁、落ち着きがない)も見られます。
陰性症状とは、意欲の減退が起き、何事も自発的に行ったり話したりすることがおっくうになってきます。また、思考内容が貧弱になってきて、活動量も減ってきます。いわゆる”廃人”のような荒廃状態になる場合もあります。
認知機能障害とは、会話中に周囲の物音などにとらわれて、肝心の話に集中できない、”選択的注意の低下”や、同時に他のことをするのが難しいなどの”ワーキングメモリの障害”があります。また、気分の障害では一見うつ病のような落ち込みや、逆に元気があり攻撃的な躁的状態になることもあります。
次回は治療法などについてお話しします。
この記事はこちらに続きます。
ハートクリニック院長 浅井逸郎
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