こころの健康アラカルト

理想と現実のギャップを感じてやる気が低下しがちな5月

5月の連休が明けたこの時期、気になる「5月病」についてお話しましょう。
5月病という言葉は正式な病名ではありません。医学的に見ると、小うつ病や適応障害などの症状がごくわずかある状態ですね。やる気が低下する。引きこもりがちになる。体にだるさを感じる。眠りが浅くなるなどの症状が見られます。
発症しやすい環境は、大学進学時や、新社会人生活を迎えたときに発症しやすく、大学進学の場合、4月はオリエンテーションがあるくらいで暇な時間ができます。大概の人は、この時期からサークルに入って人間関係を築こうとしますが、大学に進学したらすぐに専門的な勉強ができるものという理想を持っていた人は、暇な時間に空疎感を覚え、現実とのギャップを感じることもあります。
一人暮らしを始めた人はさらに孤独を感じることも。4月にやる気が低下して遅刻しがちになったりすると、5月からの授業がこなせなくなるなど、負担感が大きくなることがあります。社会人一年目も同じ。入社時の仕事は単純作業が多いので”こんなはずじゃなかった”との思いが出てくるケースがあります。
予防策は、3~4月の物事の捉え方を変え、空いた時間は、配慮された空白時間だと思ってうまく利用すること。昔からの人間関係を保ちつつ、新しい人間関係を作ることです。
一人暮らしを始めた子の親は、過剰なくらいに支えてあげるとよいようです。気になることがある人は専門家に相談を。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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