福祉用語の基礎知識

コーピング

コーピング(対処)とは、さまざまな状況の際に引き起こされる高いストレス情動的な反応を減らす方法や工夫を意味します。
個人のストレスの受け取り方をラザラスは、「認知的評価」といい、その対処行動の評価には生活歴、価値観、性格的傾向、行動パターンやスキル、ストレスへの情報が関係しています。
最近の研究によるとコーピングには2つあり、人と環境の交互作用を変化させて問題解決していこうとする思考と行動を問題焦点型コーピング、苦痛な情動を調整し克服していこうとする思考と行動を、情動型コーピングといいます。後者は、対処技術(コーピングスキル)を向上させていくことを焦点としています。
コーピングは地道で長いスパンの経験のなかで形成されます。今日、個人の資質や能力などは絶えず変化していくと認めた上で、機能改善に向け、認知と行動に働きかけ援助していくことが強調され、治癒(キュア)ではなくコーピングに力点を置くリハビリテーションの考え方の重要性が指摘されています。