こころの健康アラカルト

人間関係にも影響が出る「更年期障害」

女性なら誰もが気になる「更年期障害」についてお話しします。
更年期障害は、卵巣が十分にホルモンを作ることができなくなっているのに、脳下垂体が卵巣を刺激するホルモンを多く分泌し続けるため女性ホルモンのバランスが乱れて起こる障害です。
では、女性なら誰もが発症の可能性があるのでしょうか。 いいえ、女性の病気として認知度の高い障害ですが、発症の確率はそれほど高くありません。脳下垂体の分泌量は体質によるもので、血液検査で判別できます。
症状は、ホットフ・ラッシュと呼ばれる、自律神経の働きが乱れておこるのぼせが特徴的です。そのほか動悸、発汗、不安感など。治療は主に、ホルモン補充療法を行いますが、効かないときにはカウンセリングのほか、抗不安薬などを用います。
放っておくと、本人のストレスの原因になるだけでなく、人間関係にも影響が生じます。怒りっぽくなる症状が表れれば、しゅうち周囲との摩擦が生まれることも。生活に影響がでる前に、早めの治療が大切です。
若年性更年期障害もあると言われますが、35歳未満の人に起こる場合もあります。日ごろの生活の中でストレスの原因を減らすことが予防策としては重要です 。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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