こころの健康アラカルト

酒に酔って暴力をふるう夫

「夫が酒に酔って暴れたり暴力をふるうようになりました。離婚も考えていますが、子どもへの影響も心配です。」35歳・女性からの相談です。
ご相談者夫婦は結婚10年目。8歳のお嬢さんもいます。ご主人は1年ほど前から、お酒を飲んでは暴れて物を壊したりご相談者に暴力を振るうようになったそうです。 最近、離婚についての話し合いも始まりましたが、「何がよい選択なのか分からずに悩んでいる」とおっしゃいます。
離婚の判断は、最終的にはご夫婦の価値観の問題です。ただご主人の場合、アルコール依存症が疑われる症状があることが心配です。
もしビール1、2杯の量で暴れたりする場合は、複雑酩酊や病的酩酊と呼ばれる、アルコールに対する過剰な反応が現れている可能性があります。
またご主人がお酒を飲むようになったきっかけは、リストラを受け、職場が変わったことだと言います。上司と折り合えなかったり、仕事がなかなか覚えられないなど、新しい職場への適応がうまくいかず、それがきっかけとなってうつ病や双極性障害といった心の病気が現れていることも考えられます。
アルコール依存症や心の病気は、適切な処置をすれば症状が改善する可能性があります。まずは専門家にご相談下さい。離婚するかどうか、判断するのはその後でもよいかもしれません。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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