横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.189 2位じゃだめなんです!

横浜院長の柏です。このブログは精神科医療、病気に関することを中心に、私の趣味として特撮、クラシック音楽からingressネタなど勝手につぶやいております。私も家族ある社会人として、政治や経済にも関心はありますが、この場ではそうした内容はふさわしくないと考え、書くつもりもありませんでした。が、今回さすがに黙ってはおかれない状況となってきていることから、今回限りとして政治ネタを書かせていただきます。なお、この問題に関してはコメントされてもお返事しません・・・という前に微妙なものは掲載しませんので、悪しからずご了承下さいね。
さて、われわれ日本人が世界に誇れるものは何でしょうか。敗戦国から始まった戦後、たゆまぬ努力により高い技術力を築き上げ、高度成長社会を作り上げた日本。資源国のように天然資源に恵まれず、大陸国家のような土地にも恵まれない日本は、知力と技術力で一流国家の地位を守ってきました。現在、産業はさらに高次化され、インターネットが世界を席巻しています。本来であればパナソニックやソニーがその最先端を走っていなくてはいけないのですが、現状はアップルやサムスンの後塵を拝しています(すみません林檎党の私も片棒をかついでおります(汗))。日本が今後一流国家として生き残っていくためには、皆でしっかりと勉強して、知力・技術力を維持しさらに発展させていくしかありません。
私は前任の大学時代、文部科学省研究振興局学術研究助成課学術調査官(長い!略して「調査官」と呼びます)なる特別任務を2年間併任しておりました。日本の研究振興のための裏方仕事でして、研究費配分などの実務にも携わります。当時の同僚は皆教授などとなりご活躍されており、町医者になった変わり種は私くらいでしょうね・・・。この仕事では日本の第一線の研究者たちと多く関わり、その心意気に触れ、また研究費の大切さについてもいろいろ考えさせられました。そして調査官を退官して数年、大学も辞して当院に異動したまさにその年のことでした。「2位じゃだめなんでしょうか。」皮肉にも彼女(蓮舫)の人気につながったとも思われるこの発言。私は、聞いた瞬間に「ああ、この人はだめだ」と思いました。これはスパコンの事業仕分けでしたが、研究開発、それも国家レベルのものは世界のトップを狙うのがその必然です。”Winner takes all”の世界でもあり、最初から2位を狙うようでは20位にもなれないものです。もちろん予算には限界がありますから、勝算により予算の増減、場合によっては切り捨ても当然あるでしょう。しかし、それは2位でいいから、ではありません。少ない予算でも、智恵を振り絞って1位を目指しなさい、それでいいじゃないですか。最初から2位を狙うのと、1位を狙って結果2位で終わるのはまるで別のこと・・・これは根本的な思想の違いです。「2位じゃだめなんですか」というのは、とても国を思う政治家の発言ではないでしょう。
こうして私は彼女が嫌いだったのですが、その名前は芸名だという認識しかなく、そのルーツが台湾にあるということは今回の騒ぎまでまるで知りませんでした。その二重国籍問題、現状は一部右派メディアのみが騒いでいる状況のようですが、私は看過できない問題だと思っています。巷では法律違反がどうのという論調のようですが、そんなことはどうでもいいんです。たとえ二重国籍であっても、本当に日本を愛し、日本の国益にかなった政策を実行できる人であるならば私は良しとします。とくに最近の中国との複雑な関係を見ると、間に立って穏やかな関係を維持し、かつ日本の国益をしっかり考えてくれる人であるならそれは理想的とすら思います。しかし彼女はどうでしょうか。現在、台湾、中国との間にはデリケートな問題が多く、政府・外務省は言動に細心の注意を払っています。そこに、尖閣問題は領土問題である(政府の立場は、領土問題は存在せず日本固有の領土であるとする)と不用意に発言する。今回自身の国籍問題がまずくなると、一つの中国論(台中間の複雑な問題をはらんでおり、日本政府は日中共同声明以降静かに見守っている)を持ち出して保身をはかる、など政治家としてあまりにも思慮の足りない発言が続きます。とても外交を任せられる人物ではなく、民進党が政権を取ったら首相になる可能性があると考えるだけで鳥肌が立ちます。
討論では相手を追い込む自分に酔いしれる(内容が伴っているわけではない)が、逆に自分が責められると説明が二転三転、自分を守るためにその場の理屈を使い、父の母国を裏切ってまで保身をはかる。その強い自己愛は、クラリオンガール出身というその経歴にも伺えます。日本を愛しているという彼女が本当に愛しているもの・・・それは何でしょうかね。
そして・・・そもそもの「2位じゃだめなんですか」ですが、その時の1位は中華人民共和国、でした。さもありなん・・・。
今日の一曲、政治ネタということで(あまり関係ないか)ショスタコーヴィチの交響曲第5番から第4楽章です。この曲はバーンスタイン以外ありえないですねー。全曲はこちらで聞けます。ではまた。

コメント

  1. 隊長 より:

    元・NECとしては。
    スパコンの開発にはハード・ソフトともにとんでもない金額がかかります。
    そしてその検証にも。
    2位であるということは1位がどのようなものであるかを把握するために必要な期間、そう考えます。
    中央官庁に営業をしていたので国家予算の仕組みや推敲など、ちょっとした「ウラ」を覗くこともできましたが、なにゆえ「毎年予算が増えるのか?」
    物価の上昇に伴う給与アップだけが理由ではないはず。
    平成に入っての「癒着地獄」の結果、入札による契約が当たり前になり、むしろ予定額より低ければ予算は余って国民に還元されてもよいはず。
    なのに、そのようなことは一切なく、毎年前年度よりも増額された予算が組まれる。
    高度経済成長からバブル経済を経て、「便利さ」を追い求めた結果、「多機能が当然」の製品ばかりになり、結果、商品価格も高騰し、世界の潮流とは逆に。
    シンプルすぎる韓国製や中国製の商品が求められるよううになったのは、「おもてなし」が意味のないことの証明に。
    結果、日本の電機業界は下火に。
    パナソニックはスマホ撤退するハメになりましたが、工場は残ってる。
    部品が優秀だから、手に入れやすい環境下で「iPHONE」組み立てるのにはちょうどいいですから。
    デュポン社がはじめた「事業部制」を日本の多くの会社が取り入れましたが、デュポンの場合は「全く違うことをする事業部」が将来会社として独立も視野に入れてのことに対し、日本では「競争意識を持たせて、結果、会社全体が潤う」をメインに据えたこと。
    行政ともども経済・企業も「縦割り社会」では、横断してのプロジェクトが成功するわけはないのです。
    「どこがリーダーとなって利権を得るか」しか考えないような日本社会。
    「役割」が固定化されている現状では、研究者が専門分野でノーベル賞を取ることはできても、役所や企業でクロスオーバー的に活躍する人材が出てくることはこの語あるのでしょうか?
    医師で弁護士はたまに見かけますが、さらに「公認会計士」で「コピーライター」でもある「芸能人」の「金メダリスト」は出てくるのでしょうか?
    「スーパーマルチパフォーマー」を輩出できない土壌が日本国の課題だと思います。
    再婚相手に「も」求めるものは「政治・経済・文化・芸術」を語れること。
    「向上心」がなければつまらない人生だと思います。