横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.190 喪のプロセス

hitorigoto-190a.jpg横浜院長の柏です。始まりましたね、ライダーシリーズ新作・エグゼイド。まぁ、ここのところの平成ライダーのデザインはW以外はいつもムムム(^_^;なのですが(しかし見ているうちに慣れてくるというこの怖さ)、さすがにこれはないよねー。ディケイドの時もそうでしたが、かつてロッテのバレンタイン監督が、当時ピンク色だったユニフォームを「戦う色ではない」と言って変えさせたことを思い出しますね。研修医が変身、という医師としてはうれしい設定だけに(そういえばアマゾンズの主役のお兄ちゃんは私の前職、東京医科歯科大学の学生らしいですが)、頑張って欲しいです。ストーリーはまあ面白そう。うん。
さて、IPT(対人関係療法)のお話を続けましょう。今日は、①悲哀についてです。これは、大切な人と死別した際に見られるものです。転居や離別などでの別れは、悲哀ではなく③役割の変化で扱います。
あらゆる生命は有限のものであり、死別は必ずやってきます。先に生きるものが亡くなり、新たに生まれるものがある。そうやってヒトは、あらゆる生命は「命」をつないでいきます。ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。そうした生命のダイナミズムは、ひとつの生命の中でも細胞はどんどん入れ替わり、個体レベルでも祖父母→父母→自分→子→孫と遺伝子をつなぎながら入れ替わっていく。日本人はかつてより諸行無常とは慣れ親しんでいる民族ですが、それでも自分やその大切な人の死を受け入れることは容易なことではありません。
大切な人が亡くなった時、「喪のプロセス」をしっかりと働かせることが必要です。これは、残された人がその悲しみを乗り越え、新たな一歩を踏み出すために必要なプロセスです。「喪に服する」習慣は太古からあるようでして、昭和生まれの方ですと、昭和天皇が崩御された後の「大喪の礼」をご記憶でしょう。私は研修医1年目でしたね。国民はみな喪に服するわけですが、当初一週間、テレビはどの局も昭和関係のものばかりで、ビデオ屋さんに向かう人が多かったという話もあるわけです。日本の葬儀は通夜〜葬式と続きますが、大切な人が亡くなった場合、この段階で十分に別れを悲しむことが肝要です。思い切り悲しみ、思い切り泣きましょう。そうして十分に悲しみ、涙を十分に出すことができれば、通常は2ヶ月もすると悲しみは癒やされてきます。どんなに大切な人との別れであっても、人はその悲しみを克服する力を、そのメカニズムを身につけています。その人を忘れるのではなく、心の中でともに生きる・・・そうした力です。以前の精神科診断基準DSM-IVでは大切な人が亡くなって2ヶ月以内の場合、うつ病の診断基準を満たしてもうつ病とはせず、死別反応として区別していました。これは新版のDSM-5では廃止となったのですが、私はDSM-IVの考え方のほうが正しいと思っています。大切な人が亡くなれば、うつ病になるのはある意味当たり前です。しかし普通のうつ病と違うのは、体がそこから回復するメカニズムをきちんと持ち合わせているところです(一般のうつ病でも、もちろん自然治癒力、自然回復力は存在しますが、こちらの方がはるかに発動が容易ということです)。ですから、四十九日というのはとても大切でして、四十九日間では十分に悲しみ、四十九日を過ぎたら残された者は通常の生活に戻って行く。それが正しい喪のプロセスのあり方です。
この喪のプロセスがきちんと進まない時、うつ病をはじめとする不調が出現します。よく見られるのは後悔です。あの時ああしてあげればよかった。私がこうしていれば、亡くならずにすんだのではないか。もっと早く気付いていれば。誰しも少しは考えるものですが、そこに囚われてしまうといけません。死を防げなかった無力感から、自責的となるのが一番心配ですね。自分を責めてよいことは何もありません。人は誰でも、必ず亡くなります。あなたのせいではありません。
あるいは、自分を置いていなくなった相手への怒りの感情かも知れません。さらには、ほかの大切な人も亡くなってしまうのではないか、自分も同じ病気で亡くなってしまうのではないか・・・こうした病的な関係づけも起こることがあります。
IPTでは、喪のプロセスを正常に進めさせることをその目標にします。亡くなった人との関係性の見直し。その人に抱いている現在の感情の吐露、整理。きちんとお別れができること・・・それが何より大切なことですね。
今日の一曲は、リムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」です。アラビアンナイトの物語ですね。ゲルギエフ指揮、ウィーンフィルでどうぞ。ちょっと長いですけど、卓越した美しさです。

コメント

  1. まねきねこ より:

    エグゼイド、始まりましたね。私はあのレベル1がどうも・・・なんとかならんかい!と
    思います。仮面ライダーはストレートにカッコいいほうが良いです(悲哀)。
     仮面ライダーの職業が医師と言うのは初めての設定だそうで。
    ありそうでなかったんですね。戦闘を手術と呼んでしまうのも・・・そのうち慣れますかね。どうみてもゲームなんですけど。

  2. 匿名 より:

    まねきねこさん
    こんにちは。レベル1、私もCMでよくみるキャラかと思ったら実戦配備されてぶっとんでます(^_^;。しかしこれもまた慣れてくるからおそろしい(笑)。
    ライダーで医師といえば、悪役ですがWのウェザードーパント、井坂深紅郎先生が印象的でしたね。私と同い年だったのに、大動脈瘤で亡くなられてしまいました。残念です。合掌。