横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.229 統合失調症・序

hitorigoto-229a.jpg横浜院長の柏です。クイズ番組が好きでよく見ますが、「東大王」なんて番組ができたりして、なんだか母校が商品になったような不思議な感覚に襲われている一卒業生です。今日の東大王は医学部(鉄門)バドミントン部の後輩でもある水上クン(いつも応援してるよ♪)がお休みでしたが、理由は部の練習中の怪我だとか。どうぞお大事に!ついでに、クイズ番組常連組ではカズレーザーが高校の後輩とわかり、こちらも応援していたりします。あ、写真は先日のイベントの戦利品ですね。
さて本題ですが、最近ネタ切れ気味ということもあり、ここらで久々に病気シリーズに立ち戻ってみようと思います。これまで不安障害、気分障害を扱い、発達障害や摂食障害なども適宜ふれてきましたが、実はまだ真打ちが残っています。「統合失調症」です。私が青年医師だった頃「精神分裂病」と呼ばれたこの病気は、2002年に日本精神神経学会が病名変更を告知しました(こちらのサイトもご参照下さい)。今から15年前のことですね。いわゆる「精神病」の代表格であるこの病気は、精神医学の歴史とともに、精神科医を志す者にとって常に高い峰でした。
「了解可能性」という言葉があります。うつや不安についての苦しみは、その悩みを聞くものにとって「了解」しやすいものです。しかし、統合失調症でよくみられる幻覚や妄想などの奇妙な体験については、聞く者にもなかなか「了解」しにくいものであり、その「了解困難性」が多くの精神科医を惹きつけてきました。私自身、研修医の頃はこの病気の原因をつきとめたいと思い、神経研究所や大学では動物モデルを用いて、おもに再発のメカニズムを研究していました。クリニックに移ると、どうしてもうつ病や不安障害と較べて患者さんの数が少ないこともあり、統合失調症だけではなくいろいろな病気に幅広く関心を持つようになりました。それでもやはり、この病気を抱える方と接する際には精神科医の本能がもぞもぞと動くのを感じないではいられない、精神科医にとって統合失調症とはそういう病気なのです。
15歳から30歳、ティーンエイジャーから20代という人生の黄金の時期に主にはじまる精神科の病気としては、統合失調症と双極性障害がその双璧をなします。統合失調症は青年期にはじまりじわじわと進行する怖ろしい病気であり、かつては治らない病気とされていました。しかし、最近では薬物療法および心理社会的治療法の格段の進歩により、その予後は大幅に改善されてきています。統合失調症であっても、治療や支援があれば普通に家庭生活や社会生活が送れる、そんな時代が実際に来ているのです。しかしそうはいってもまだまだ症状に苦しんでらっしゃる方はたくさんいらっしゃる。医師、支援者、研究者にはまだまだ宿題はあるようです。これからしばらく、他のネタ、ヲタネタを織り交ぜながらですが、統合失調症について書いていきますね。
今日の一曲は、ヴォルフ・フェラーリ「マドンナの宝石」です。これもいい曲だなー、って毎回言ってますが(笑)、でもいい曲だ。ではまた。

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