福祉用語の基礎知識

電気けいれん療法

身体療法の一つで頭部に電極を置いて通電し全身の「けいれん」を起こされることで精神症状の改善を図る治療法です。
向精神薬が発見されるまでは精神科治療の主流でした。薬物療法が盛んになり、一時廃れましたが、麻酔薬や筋弛緩薬剤を併用して恐怖感の軽減、骨折の防止が図られ、安全性も高まり、薬物療法の限界もあり、その有効性が認められ、治療法として見直されてきています。
薬物療法が不十分の場合電気けいれん療法が行われることが多いです。うつ病や緊張型統合失調症が適応ですが、その作用機序は不明です。副作用としては健忘、頭痛、高血圧等がありますが、一時的であることが多く、実施にあたっては本人または保護者に説明し同意を得るようにします。
アメリカやイギリスでは電気けいれん療法に関して適応やインフォームドコンセントについての指針がありますが、日本にはまだなく、過去の懲罰的使用や乱用への反省も込めて電気けいれん療法の指針を作成する必要があります。