福祉用語の基礎知識

記憶障害

情報を記銘し、把持し、再生ないし再認するという記憶に関する機能のうち、一部ないし複数の機能が障害される状態をいいます。
症状論的には、新たな情報を記銘することができない記銘力障害再生障害である全般的記憶減退健忘に大別されます。
健忘は、一定期間ないし一定の事柄の記憶の再生、再認が障害される状態であります。さらに、誤った記憶を訂正できない作話や妄想追想があります。記憶障害は、持続性、成因、病変部位などにより詳細に分類されます。
記憶障害の例として、高齢者の記憶減退(全般的な物忘れ)、頭部打撲などによる意識障害の際に生じる逆行健忘(それ以前の記憶を再認できなくなる)、アルコール大量摂取などのために、乳頭体や視床内側核などが障害されて生じるコルサコフ症候群(記銘力障害や失見当識、作話など)、側頭葉切除後などに生じる海馬性健忘(高度な記銘力障害を主徴とする)、皮質性健忘(失語、失認、失行をきたす)、心因性の全生活史健忘(自己にまつわるエピソード記憶を再認できなくなる)等があります。
※こちらの記事を参考にしてください。