横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.018 病気の成り立ちと治療(その3)

横浜院長の柏です。
前回の続きです。今日は、治療の第2段階についてお話しします。
・時間をかけて、坂そのものを直していく(平衡状態を戻していく)
急性期を抜けても、治療はそこで終わるわけではありません。支えを作って持ち堪えている段階を超えて、坂そのものをなだらかにしていく作業が必要となります。前々回にお話しした、できてしまった「ストレス回路」をゆっくりと沈静化させていかなくてはなりません。
前回、急性期治療には1週間から3ヶ月程度は見る必要がある、とお話ししましたね。心療内科・精神科では、急性期でさえそれくらいの時間が必要です。今回お話ししている時期、すなわち急性期のあとの「再発防止期」とも呼ぶべき時期では、うつ病、パニック障害などの場合、その治療は半年から数年単位となります。この間にしっかりと抑うつ症状、不安症状の再発予防を行い、脳をしっかりと(多少のストレスがかかっても耐えうる状態にまで)回復させる必要があります。
これはとてもとても重要なことです。ここでしっかりと治しておくことが、今後の再発・再燃の可能性をぐっと小さくすることにつながるからです。急なままでつかえ棒をしている坂と、なだらかにならした坂では、どちらが転がりやすいか、と考えていただけるとわかりやすいかと思います。
当然のことですが、この間は薬物療法においても油断禁物です。表向き症状が取れてくると、薬をのむのは忘れがちとなるようです。しかし、まだ本当の意味でよくなっているとは言えないこの時期では、薬が抜けてしまうことは症状がぶり返す大きなリスクとなります。堅実に、地道にお薬をのみ続けていくことがとても大切です。
この文章をお読みの皆様は、ぜひ最後までしっかりと治療者とコミュニケーションを取り、必要な治療は必要な期間、十分に受けていただきたいと思います。
心療内科・精神科の治療は時間のかかる、気の長い作業です。私たちは腰を据えて治療に取り組んでいます。皆様もぜひ、急がず、あわてず、じっくりと、気長に治療に取り組んでいただければと思います。
さて、このブログは計画的に書いているものではありません。書いては考え、書いては考えでその時に大切と思うことから順に書いております。最初はそれぞれの病気について、順番に解説していこうと思ったのですが、書いてみるとその前にふれておいた方がよいことがどんどん出てきて、寄り道が続いている状態です。今回も、「時間」と「くすり」のことについて、加えてふれておいた方がよいかと思っております。さらに寄り道をすることをお許し下さい。

コメント