横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.259 生活特性(1)

すっかり猛暑にやられている横浜院長の柏です。異常気象といいますが、大雨をはじめ気象変動が常態化してきたということなのでしょう。平成の次の代がどんな時代になるかも、こんなところからも気になっています。
さて生活臨床の教えを続けます。ちょっと専門的な内容となりますがご容赦ください。生活の中で統合失調症者の日常を見る中から編み出された生活臨床は、彼ら、彼女らの特徴をいろいろと見出していきます。
それを彼ら、彼女らの「生活特性」と呼びますが、それを大きく二つに分けています。

統合失調症患者の「生活特性」

1) 「生活特徴」
  日常生活のレベルの、横断的な生活行動の特徴
2)「生活類型」
  人生を貫く縦断的な生活行動の特徴

「生活特徴」は、統合失調症の患者さんに共通して現れる生活行動上の特徴のこと。それに対して「生活類型」は、患者さんを大きく「能動型」と「受動型」に分けて、それぞれの特徴に合わせた支援を考えるというものです。今日は、1) 「生活特徴」についてのお話をします。
まずは、統合失調症の方なら誰にでも共通するとされる「生活特徴」

統合失調症の方に共通する「生活特徴」

1) 二者択一に弱い
2) 高望みをする
3) 一面的に物事をとらえる

生活臨床はこのように「3つ並べる」というのが好きでして、私はこれがわかりやすくて気に入っているところでもあります。
どうも統合失調症という病気では特有の認知・行動パターンが見られることが知られており、専門的には「認知障害」という言葉でまとめられることも多いのですが、それを一番わかりやすく記載したのがこれではないでしょうか。
一言で言うと「認知の幅が狭くなる」ということでよいと思いますが、それによって物事を多面的に捉えることが困難となり3)、現実的でない思考になったり2)、物事を決めることが困難となったりします1)。
今日はこのあたりにして、次回「生活特徴」の後半を続けます。
では今日の一曲。ブラームス作曲、ハイドンの主題による変奏曲op.56aをカール・ベーム指揮ウィーンフィルのライブでどうぞ。ハイドンの主題、というのですが、実は原曲はハイドンの作品ではないという説もあるようです。ではまた。

コメント

  1. ultima より:

    柏先生、お疲れさまです。今週も診察 ありがとうございました。
    ウィーンフィルといえば 先程ニュースで小澤征爾さんが 腰掛けたままのお姿でしたが指揮に復帰されたところを見ました。とてもお元気そうとは言えないような感じがしましたが、演奏聞けた部分も僅かでしたがホールでの演奏会 いつまでも続けてほしいな…と思いました。
    ハイドンもブラームスもベートーベンもピアノの師に沢山教えていただきました。今は横浜と名古屋で離れてしまいましたが たまにハガキをくださいます。クラシック鑑賞と書道は私が無になれる至福の一時です。あ、あとお菓子を食べる時も…(笑)
    いつまでも森を見れずに木ばかり見ている私ですが、少しだけ社会復帰し始めることができました。やはり外界と接すると頭痛がありますが 久し振りのオケの音に力が抜けていくような癒しを得られました。今週もまた新たな気持ちで前に進んでいけるよう努めていきたいと思います。

  2. 横浜院長 より:

    ultimasさん
    こんにちは。無になれる至福の一時、大切ですよね。寝る・食べる以外でそういう一時を作れると強いです。クラシック鑑賞と書道、これからも大切にしてくださいね。
    私はさきほど、大接近の火星を見ながら物思いにふけっておりました。なかなか、無にはなれないのがつらいところです(笑)

  3. ultima より:

    柏先生 お疲れさまです。火星、ご覧になってらしたのですね!! 金色というか愛媛みかんのような鮮やかなオレンジに、夫の運転する車窓から あれじゃない?違うかな?と大興奮して見ていました。ハレー彗星とかとは違って次回はおよそ35年後にも見れるそうで、家族揃って天体観測するのも楽しそうだな…なーんて考えてしまいました。35年後の私…何してるんだろうな…