横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.017 病気の成り立ちと治療(その2)

横浜院長の柏です。
仮面ライダーウィザードが始まりましたが、それよりゴーバスターズのオープニングソングが変わってしまいましたね!ショックが大きいです。毎週、あの歌で元気を出して一週間に臨んでいたのに・・・。
さて前回の続きです。不安定な平衡状態になった脳の治療についてお話しします。前回お話ししました通り、治療は二段階で考えます。
坂の上のボールの状態となった脳にたいして、
 ・まず早急に、坂から落ちないようにしっかり支える
 ・時間をかけて、坂そのものを直していく(平衡状態を戻していく)

の二段階で治療を行っていきます。
今日は、その第1段階
 ・まず早急に、坂から落ちないようにしっかり支える
についてお話しします。これはすなわち急性期治療です。これには1週間から3ヶ月程度を見る必要があります。
hitori-17a.gifこの図のように、しっかりした支えを作る必要があります。転がっていけばいくほど本来あるべき状態から遠くなりますので、なるべく早く、しかるべき支えが必要です。坂が急であればあるほど、つまり病気が強ければ強いほど、よりしっかりした支えが必要です。病気の種類、程度にもよりますが、急坂でまず考えるべきは薬物療法です。薬物療法では、この段階では十分量の薬物の投与が必要です。中途半端な量の薬物を使うことで、坂を転がり落ちるようなことになっては意味がありません。
急性期とは、言ってみれば脳が熱を持ちうまく働かなくなっている状態です。脳を休ませ、十分に冷ましてあげないと回復は望めません。薬を使って十分に解熱するとともに、十分な休養の確保も治療の上で欠かせない要素です。
hitori-17b.gifこの図のように坂が緩やかな場合(すなわち軽症の場合)には、治療の選択肢はより広がってきます。例えばうつ病に関して言えば、最新のうつ病治療ガイドラインでは軽症エピソードの場合は抗うつ薬の投与は第一選択ではありません。心理教育、支持的精神療法(これらについては後ほどの回で説明します)といった基本的治療対応を行いつつ、薬物療法、認知行動療法などの適応を検討するというのがガイドラインに沿った対応です。

コメント

  1. ピーコちゃん より:

    双極性障害についても、触れて欲しいです。

  2. 横浜院長 より:

    ピーコちゃん
    コメントありがとうございます。
    不安障害→気分障害の順でふれていくつもりでいたのですが、いかんせん寄り道が多くていけません。双極性障害については書きたいことがたくさんあるのですが、気長にお待ちいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
    (ちゃん、くん付きの方には「様」は不自然なのではずしております。失礼でしたらお許し下さい)

  3. まねきねこ より:

    ゴーバスターズ、歌詞は変わっても内容が良ければそれで良しとしましょう。
     ついでに、わたくしことまねきねこも、様ではあまりにももったいないので、さんで
    お願いします。