こころの健康アラカルト

病気の悪化で元気のない父

「70歳の父は糖尿病の症状が悪化して以来、『早く楽になりたい』などと気弱な事ばかり言います。どのように元気づけたらよいでしょうか。」40歳・男性からの相談です。
ご相談者のお父上は10年以上も闘病病を患っていますが、特に最近は体調が思わしくなく「自分はもう長くない、家族に迷惑をかけて申し訳ない」といった発言が目立つようになったそうです。外出もほとんどしないうえ、家での会話もすくなくなり家族を心配させています。
糖尿病をはじめとした内科的な病気は心理的な負担が大きく、それをきっかけとして心の病気が現れるケースも数多くあります。
お父上も自責的な発言や外出しない、口数が減るなどの症状から、うつ病やそのほかの心の病気による抑うつ状態にある可能性が高いと考えられます。
心の病気の場合、その種類によっても対処は変わってきます。ご相談者は「何とか元気づけたい」とおっしゃいますが、励ますことが逆効果になる場合があります。周囲が「がんばって」と伝えると「がんばれない自分」をダメな人間だと責めてしまい、かえって不安感が増したり、心の負担が大きくなることもあるからです。
早めに心療内科など専門科を受診し、状態をしっかり診断してもらったうえで、どのように対処するべきかを考えましょう。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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