こころの健康アラカルト

“母ロス症候群”喪失感による心の病も

母を失った喪失感にさいなまれる”母ロス症候群”に陥る女性が増えているとか。心配される心の病についてお話ししましょう。
どのような心の病にかかりやすいのでしょうか。
大切な人を亡くすことは、心理的に大きなダメージを受けるものです。特に日本人は母親と娘の結びつきが強い傾向があり、それだけで衝撃も受けやすく、あらゆる心の病にかかりうる可能性があります。中でも若年であれば双極性障害や統合失調症、30~50歳代はうつ病にかかるリスクが高くなります。ほかにも、頼りにしている母親がいないことで不安障害や適応障害になる場合もあります。
主な症状はといえば、うつ病には気分が落ち込む、食欲がない、外出が面倒、いつも寂しい、やる気が出ないなど、双極性障害には普段よりおしゃべりになったり元気が出過ぎるなど、不安障害にはささいなことが非常に心配で不安感が増すなどの症状があります。
通常は2週間以上症状が続くとうつ病などが疑われますが、この場合は四十九日を超えてもなお活動性が損なわれ憂うつな気分が常時あれば心の病の可能性があります。心療内科などで相談をしてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

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