横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.133 うつ病の症状論(その4)

横浜院長の柏です。進研ゼミのCMで、聞き覚えのある曲が流れていますね。もともとのCM(1998年)はこれです。


“She’s a Rainbow.” Rolling Stonesです。なつかしいですね。1998年、Appleを追われたJobsが復帰して最初に世に送り出したのがこの初代iMacです。斬新なスタイル、カラーバリエーション。当時のワクワク感が蘇りますね。

私はその翌年に出た(長男と同い年だ)オレンジ色のiBookを買いましたが、これも実に魅力溢れた製品でした。この頃Appleの株を買っておけば・・・というのが唯一の後悔ですね(笑)。
さて、うつ病DSM-5診断基準、6番目は「易疲労性、気力減退」ですね。最近なんとなく疲れやすい、だるい、気力が出ない。うつ病の9つの診断基準の中でも、頻度からいうと一番高いのではないでしょうか。一番多い症状がなぜ6番目かというと、これはうつ病でなくても、いや精神科でなくても、体の病気でもしばしば出てくる症状だからですね。DSMの診断基準は基本的に診断特異度の高いもの(よりうつ病以外では起こりにくい症状)から並んでいますので、こうなるわけです。だるいしんどい、と内科を訪れる方はたくさんあるわけですが、その中には診察・検査で悪いところが見つからず、気のせいですよ、と帰される方も結構な割合であるわけです。体に異常がないにも関わらず、体の症状を感じてしまい生活に支障を生じてしまう。こうした疾患を精神科では「身体表現性障害」といいますが、その一部にうつ病の方も紛れているわけです。余談ですが、自分が重大な体の病気にかかってしまっている、と思い込んでしまうものは「心気症」と呼びます。別の病気です。
この「易疲労性、気力減退」も5番の精神運動制止とならんで、エネルギーの低下のダイレクトな現れですね。東洋医学では、人体のバランスは気・血・水から成り立つと考えられています。気力減退の「気」はまさにこの東洋医学の「気」そのものですね。生体エネルギーですね。東洋医学では「気うつ」という言葉があります。気が塞がり、エネルギーが下がってしまった状態のことです。ここは、東洋医学と西洋医学の一つの交差点を示していると思っています。ではまた。

コメント

  1. パパゲーナ より:

    柏先生、こんにちは。
    オレンジ色のibook、発売当初、ワタクシも一目惚れしました(^^)職場にもモッパラIllustrator専用にMacがあり、時折操作していましたが、悲しいかなPC98から入った自分には、操作効率を考えると自宅用に購入することが憚られ涙を飲みました。(ことえりの一言で固まった経験から逃れられなかったのかもしれません…>_<…タハハ。)
    今回のテーマは易疲労性。ウツ罹患者を少なからず悩ませる症状ですね(涙)急性期を数年前に経験したワタクシも未だ日々の易疲労性と取っ組み合って暮らしております。一日一定時間働くと、脳がタイムUPを知らせる分厚い幕を降ろして来ます(とほほ)
    “もう、本日の仕事の許容量はイッパイになりましたので、店じまいします(^^)早く寝てください”と言わんばかりですかね。
    この症状が顕著なうちは、ウツによって脆い状態が続いているということなのでしょうか?

  2. 隊長 より:

    最初は腹痛からで、エコーや胃カメラでした。
    所見ナシで、産業医から「精神診てもらって。」ではじめて(その時は)鬱、と。
    会社休んでいる間は何冊か本読んでました。焦りまくってましたね、海外勤務したくて。
    ちなみに、元・N●C社員でしたので、リンゴは「果物」だけなんです。

  3. パンダマン3世 より:

    「病は気から」・・古くから言われている言葉ですが、事実そういう側面は多々ありますね。漢字の起源をちょっと調べてみました。
     諸説あるようですが、「氣」の上の「气」という部分は天体を、下もまた米ではなく、八方に開いている姿だそうです。要は天体の下で、生命がエネルギーを四方八方に放出していく状態を表わしたものになるのだそうです。 ちなみに日本語の「氣(き)」=「生きている」という意味を表し、これは、天地の氣と五体の氣が交流している状態で、つまり「いき(氣)ている」という事だそうです。
     気自体は目に見えないものだけに、自由に空間を飛び回りますね。そうやって動物も植物も、無機物含めた万物の中を浸透し、活力源となりうるんだ・・そう理解することにします。

  4. 横浜院長 より:

    パパゲーナさん
    タイムUPが知らされているうちは、それに従いましょう。
    アラート鳴りっぱなしにしないこと。脳の声に従えば、徐々に許容量は大きくなりますよ。
    体調さん
    私も、リンゴに行きつく前は富士通FM7、NEC 98VXでした。いったんリンゴに洗脳されてしまうと、もう真人間に戻れないんです(^_^;
    パンダマン3世さん
    貴重なお話しありがとうございます。「天体の下で生命がエネルギーを四方八方に放出していく状態」まさにその通りですね。いかにこの気を守っていくか。精神科医療の大きなテーマですね。

  5. パパゲーナ より:

    脳の活動の許容量が増えて喜んでいるところ、調子ついて、脳にかかる負荷を増やしてしまい、一段階体調を落としてしまったワタクシでございます。反復性うつの病名が付いたからには、安易に仕事量を増やすのは禁物と、心を戒めました。“好事 魔 多し”の故事が身に染みております。
    仕事をしながらでき得る限りの休養を取りまして、昨日は音楽を聴きたいという渇望が込み上げるまでに気分が回復。フレーズは頭の中を駆け巡るのですが曲名が思い出せないで居りましたら、昨年10月に柏先生がブログにUPして下さっていたブラームスの弦楽曲だったのを思い出し、ベッドに倒れこんで直ぐに再生することができました。
    宝くじは買いませんが、もし当たったらオーストリアに移住して音楽と美しい文化と美酒、ウィーンの森散策と、温泉三昧、ケーキ食い倒れしたいものです(笑)

  6. まねきねこ より:

    カラフルなパソコンが世に出た時はセンセーショナブルでしたよね。懐かしいです。
     私は最近、ピアミーティングと言うものに出てみました。精神疾患を抱える人同士が話し合い、支えあうという療法の一つです。「いつか必ずよくなりますから、その日を信じて今はつらくても、とにかくゆっくり静養しましょう」などと他人には言えるのですがテメーのことになるとオロオロするしジタバタするし・・・でも、客観的な立場に立って誰かに話をしてみたり、同じ病の人の意見を聴いたりすることはとても有意義でした。特に、私に対して「〇〇さんの意見はとても心に勇気をくれました。ありがとうございます」と言われたときは泣きたくなるほどうれしかったです。

  7. 横浜院長 より:

    パパゲーナさん
    好きな音楽を聴きたいと思えるか。回復の試金石といえるかもしれませんね。
    移住までいかなくとも、オーストラリア音楽旅行に行けるといいですね。
    まねきねこさん
    ピアミーティング、結構出てらっしゃる方いますよ。
    主催されてがんばってらっしゃる方もあります。
    われわれ医療者にはない力があるようです。ぜひ力にして下さい。

  8. パバゲーナ より:

    まねきねこ様、素晴らしいです。一人の人を勇気付け、同病の方の心を励ますこと。なんて尊いことをなさったのか。最高に尊敬します。