横浜院長のひとりごと

横浜院長のひとりごと No.261 生活特性(3) イロカネメンツ

横浜院長の柏です。暑いですね、と前回も書いておりますがその後も私は完全に茹だっております。埼玉県熊谷市は暑い町として有名になってしまい、ついに史上最高気温を更新しましたが、実は…私の母校は埼玉県立熊谷高校なんですな。群馬の実家から毎日利根川渡って越境通学しておりました。当時は一定の枠が認められていたんですね。で、そりゃ群馬(太田市)も熊谷も暑かったけど、そんな日本一暑いという意識はまったくなく(はっきり言ってびっくり)、実際卒業して東京に出てきた時、東京ってなんて暑いんだ、と思ったものです。ビルの室外機からの熱気とアスファルトの照り返し、風も通らないのでそう感じたわけですが、それにしてもやはり地球温暖化、そして湾岸開発により風の通り道が狭くなったことなど、いろいろ原因がありそうですね。
さて、生活臨床における統合失調症の生活特性、その中で統合失調症の方々に共通する特徴として「生活特徴」についてお話しています。これは言ってみれば彼ら、彼女たちの「弱点」とも言えるわけですが、生活臨床にはそこでも貴重な教えがあります。

統合失調症の方の「生活特徴」のパターン
生活の発展や破綻、再発と密接に結びついている課題

1) イロ(異性問題)
2) カネ(金銭問題、損得)
3) メンツ(世間体、立場、学歴など)

統合失調症の方それぞれに上記のどれかが弱点となっており、その弱点をつかれる状況になった時に具合が悪くなる(急性増悪=シュープといいます)。また、ある人が再発するときはいつも同じテーマ…イロの人ならイロで、カネの人ならカネで再発する、と教えています。統合失調症を抱えた方々は、ストレスに対する独特の脆さ(もろさ)がありますので、こうした特徴がはっきり出るのだと思いますが、これらは実は統合失調症に限った話でもなく、うつ病にせよ神経症にせよ、万人が具合悪くなる時に多かれ少なかれ関係しているテーマとも言えるでしょう。この方が今なぜうつ病になったのか、なぜ休職に至ったのか、などを考える際にも、こうした生活臨床の教えは役に立つのです。
今日の一曲は、シューベルトの珠玉の小品、楽興の時第3番ヘ短調といたしましょう。貴重なホロヴィッツのライブ映像でどうぞ。

コメント

  1. ultima より:

    柏先生 今週も診察してくださり ありがとうございました。外出しますと驚異の温度と湿度に 日本の夏とはこんな感じだったかしら…と、ふと小学生時代につけていたお天気日記を思い出してはウンザリしています。そのうち日本はハワイ化するんではないでしょうか。お米を愛する者として きちんと春夏秋冬を過ごしたいです。
    今日の特性の中で私に当てはまるのは③でしょうか…。ある日 気付くと何だか居心地が悪いと感じます。自分の弱さを学び 今後に活かして より良い毎日を送りたいと思いました。
    シューベルトといえば、つい魔王や鱒が浮かんでしまいます。先生のアンテナはどこまで広がっているのでしょうか…是非 東大vs京大で多才で博識な柏先生の御名を全国区、いや世界征服の序章としていただきたいです!! w