こころの健康アラカルト

見ていて気なる癖(1)

子どもの、爪や鉛筆を噛む、指を吸うなどの癖があると、気になります。
「癖」をどう見るかは、いろいろ見解が分かれ、ケースバイケースともいえますが、子どもの、指しゃぶりや鉛筆をかむ、ぼろぼろになったぬいぐるみを手放さないなどは、健康な心の働きです。吸う、噛むという癖は口唇欲求の表現です。これは母親の乳房の象徴と考えられています。通常は加齢とともに自然と消えてしまい、気にする必要はない事が多い癖です。早く止めさせる必要もありません。大人になってもぬいぐるみが好きな人は多いと思います。それも母親の痕跡・・・同じ事なのです。
では、ぬいぐるみやペットに話しかけるというのは、どうでしょうか。
ペットに話しかけるというのは多くの飼い主さんがすることですし、ぬいぐるみに話しかけることも女性の間では一般的なことなのではないでしょうか。語りかけることで、孤独な気持が癒され、心の安らぎを得ているのです。周りは本人の気持ちを理解してあげれば良いと思います。
このように治療の必要のない癖もありますが、血が滲むほど爪を噛んだり、自分の身体を傷つける自傷行為は、注意しなければならないケースといえます。手を噛んで皮下血腫になったり、抜毛して円形脱毛症のようになったり、足の裏の皮を剥き続け、出血し、痛くて歩けなくなってしまう人もいます。こういったケースには、治療が必要です。
この記事はこちらに続きます。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント