こころの健康アラカルト

アスペルガー症候群(1)

最近、広範性発達障害がマスコミで取り上げられるようになり、アスペルガー症候群と呼ばれる人たちについても話題に上がるようになりました。
アスペルガー症候群が同定されたのは、数十年も前ですが、近年特にアスペルガー症候群を疑って、診察に来る人が増えたように感じられます。数自体が急に増えることはありませんから、マスコミの影響も大きいかもしれません。「KY」という、いわゆる「空気が読めない人」という言葉は流行語にもなりましたから。
たしかに、アスペルガー症候群は、周囲とのコミュニケーションがうまくいかないという症状があり、「空気が読めない」と言われてしまうことがあるかもしれません。ですが、アスペルガー症候群はそれだけではなく、広範囲に発達上の困難を抱えていることが多いと言われています。
では、どのような症状があるのでしょうか。 まずは、社会性の問題です。周囲の状況や、相手の言ったことの中に、言語として明確に表現されていないものを読み解くことが欠けているか、充分発達していないなどです。教師が機嫌悪そうに教室に入ってきて強い口調で話し出したとします。多くの生徒が「先生に怒られる」と静かにしているのに、自分だけ大きな声でおしゃべりをしてしまう。友達が「しーっ」と合図を送っても、気がつかないなど。これが「空気が読めない」と、周囲に思われてしまう症状です。
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ハートクリニック院長 浅井逸郎

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