こころの健康アラカルト

子どもの新生活を迎える保護者へ

春は進学や入社など、ガラリと生活環境が変わることが多い季節です。 初めて一人暮らしをする子どもや、送り出す保護者に陥りやすい心の病についてお話ししましょう。
心の病に陥る原因は何でしょう?
生活の連続性が途絶えると、心が不安定になり心身に不調が現れることがあります。保護者の場合では、子どもへの心配や哀しさが過剰にあると心の病になる場合がありますが、入学や就職などを達成したことに、安堵するケースが多いようです。心のケアを大切にしたいのは、一人立ちする子どもの方です。
では、なぜ不調になりやすいのでしょうか?
一人暮らしは、家やお金のやりくりなど、未経験のことに苦労する場合があります。新たな社会環境に、このような負担も重なると、心が不安定になる可能性が考えられます。放置すると体調も悪化し、朝起きられなくなるなど、生活に支障を及ぼすこともあります。
保護者が心がけることは何でしょうか?
子どもが一人暮らしをした後も、コミュニケーションを保ち、孤立させないことが大切です。初めのうちは、家に行き身辺を手伝うなどして、過保護なくらいで十分です。生活能力が身に着いたら、徐々に頻度を少なくすれば、お互いに生活の連続性が断たれにくくなります。ですが、心身の不調が続くようなら、専門医に相談をしてください。

ハートクリニック院長 浅井逸郎

コメント