福祉用語の基礎知識

意識障害

意識の深さの障害(意識混濁)と、意識の質の障害(意識変容)と分けられます。
意識混濁は3-3-9度方式、グラスゴー・コーマ・スケールなどで定量的に評価されることが多いです。3-3-9度方式では、刺激に対する覚醒度からⅠ.覚醒している。Ⅱ.刺激をすると覚醒する。Ⅲ.刺激をしても覚醒しない、の3段階に分類し、それぞれをさらに3段階に分類します。意識変容はせん妄とほぼ同義に使われます。軽度ないし中度の意識障害に、精神運動興奮を伴った状態であり、幻覚妄想を伴うこともあります。せん妄を精神症状の程度から、活動過剰型、活動減少型、混合型と分けることもあります。
その他、もうろう状態という概念は、意識狭窄は伴っていることが多く、せん妄と区別することはあまり意味がありません。夢幻状態という概念は、障害された意識状態のなかに、夢のような視覚像が出現する状態のことを言います。
アメンチアとは、困惑の強い状態を指したが、今日ではあまり用いられていません。精神医療の領域では、障害された意識混濁のスケールでは軽度に分類されるような軽い意識混濁とそれに伴う意識変容をほかの精神状況と見分けることがしばしば重要となります。器質性精神病、症状精神病において、意識障害を伴うことが多いことが知られています。